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いよいよクリスマスがやって来る♪ 

駅構内のクリスマスマーケットと高さ15mの豪華なクリスマスツリー  swissinfo.ch

もうすぐ楽しいクリスマス!ヨーロッパのクリスマスは日本のお正月に匹敵する大切な行事です。今回は日本とちょっと違うクリスマスの一面をご紹介しましょう。

 まずは恒例の「クリスマスマーケット」。チューリッヒでは11月24日から中央駅構内を中心に150店がオープンしました。モミの木の枝でデコレーションされた3m四方ぐらいの小さな小屋が広場や大通り沿いに並びます。商品はクリスマスのデコレーションから、食料品、衣類、玩具、アートに至るまで実に様々です。夕方からライトアップされるので雰囲気を楽しむには薄暗くなった頃に行くのがおすすめ。昨年から駅前通りのイルミネーション(通称Lucy)もLEDに変わりましたが、暗すぎると不評だったため今年は改良して少し明るくなったようです。右のリンクでチューリッヒの駅前通りのクリスマスの雰囲気をお楽しみ下さい。

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 駅構内でひときわ目を引くのが、中央にそびえ立つ高さ15mのクリスマスツリーです。約7,000個のスワロフスキーのガラスオーナメントで豪華に飾られ、誰もが思わずその美しさに立ち止まって見上げてしまうほど。ちなみに隣国ドイツのシュトゥットガルトはヨーロッパで最も大きなクリスマスマーケットが立つ町として、ドレスデンは最も古いマーケットが立つ町として有名で世界中から多くの観光客が詰めかけます。かくいう私も7年前にシュトゥットガルトに出かけました。ある店でふと、幼い頃に読んだ童話「くるみ割り人形とねずみの王様」に登場する兵隊の格好をした木製のくるみ割り人形を見かけ、懐かしさのあまり思わず買ってしまいました。

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 さて、クリスマスに欠かせない飲み物といえば「グリューワイン」。赤ワインにオレンジピール、シナモン、クローブ等の香辛料と砂糖を加えたホットワインで、マーケットを歩き回って冷え切ってしまった体を温めるにはまさにうってつけ!この独特な香りが漂ってくるとクリスマスを実感します。香辛料さえそろえば自宅でも簡単に作れるので、リンクのレシピを参考にどうぞお試しを!「シュトレン」と呼ばれるクリスマスケーキも有名で、ドレスデンが発祥の地です。中にドライフルーツやナッツがたっぷり入った重量感ある褐色のケーキで、日本の典型的なクリスマスケーキとは全く違うので、初めて見たときは「エッ!?これが本場のクリスマスケーキ?」と驚きました。

 クリスマス前日までの約4週間は「アドべント(待降節)」と呼ばれ、この頃からクリスマスに向けてカウントダウンが始まります。「アドベンツ・クランツ」と呼ばれるリング状のモミの木の枝のデコレーションにはロウソクが4本ついていて、一週間毎に一本ずつ火を灯していきます。子供達が楽しみにしているのは「アドべンツ・カレンダー」。1から24までの数字がついた24個の小さな箱や袋の中にお菓子等のプレゼントが入っています。子供達は12月1日から毎日一つずつ開けるのをとても楽しみにしています。大人用には「ミリオーネン・ロス」という賞金総額4,200万フラン(約35億円)のスクラッチ式カレンダー宝くじが好評で、毎日賞金や高級車が当たるチャンス有り!

 また、年末が近づくと郵便受けに様々な団体から寄付金をつのる手紙が届きます。スイスは寄付に対する意識が非常に高く、この時期多くの人が寄付をします。ユニークな募金活動として最近目にとまったのは飲料品会社「イノセント」のもの。11月中旬頃からスーパーで小さな毛糸の帽子をかぶったペットボトル入りのフルーツジュースが販売されました。この帽子はボランティアの人達が編んで会社に寄付したもので、色やデザインは様々。このジュースが売れると一本につき50ラッペン(約40円)を会社が福祉団体に寄付するという仕組みです。昨年は45,000本の帽子付きジュースが売れ、約180万円の寄付ができたそうです。ボランティアの人達、企業、そして消費者の「三者」をうまく結びつけたグッドアイデアですね!私も一本協力させていただきました。では、フローエ・バイナハテン!(楽しいクリスマスを)

森竹コットナウ由佳

2004年9月よりスイスに滞在。静岡市出身。元高校英語教師。スイス人の夫、
黒猫とエグリザウに在住。職業:日本語教師。趣味:旅行、ガーデニング、温泉、
フィットネス。
好きなもの:お酒全般(特に赤ワイン)、柿の種(せんべい)、動植物。
長所:シンプルで明朗快活。短所:方向音痴、うっかりもの。失敗が多い。
人生で一度やってみたいこと:北欧をキャンピングカーで旅行すること。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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