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キノコに親しむ

秋になると様々な形や色のキノコが地面のあちらこちらに顔を出す。スイスで唯一のキノコ学校「Pilzspürnasen(キノコの"鼻利き")」では、キノコ好きな人々がキノコの見つけ方や毒キノコの見分け方を学ぶ。

スイス人はキノコ狩りが大好きだ。「クリーム煮のパイケース詰め」「仔牛のクリーム煮」など伝統的なスイス料理の他、ジビエの付け合わせにもキノコは欠かせない。キノコ学校の人気が高いゆえんだ。

ニコラ・ヴェルンケさんとヨハネス・クルトさんは、あるキノコ鑑定イベントで知り合った。彼、ヨハネスさんは、幼少時からキノコを採り続けてきたキノコ鑑定士。彼女、ニコラさんは粘菌と毒キノコの愛好者。お互いの知識を持ち寄れば「菌類学(キノコの学問)」の本格的な講座を開くことができるはず、と初対面で意気投合した。

危険なミス

2人が1年間の講座で伝授するのは50種類以上の食用キノコの他、代表的な毒キノコや基礎的生物学についての知識。「ホウジ」という愛称で呼ばれるヨハネス・クルトさんは、「キノコを見つけるには栄養豊かな土壌を見分けるなど勘を養うことや、惚れ込むぐらいの熱意が必要」と説明する。

キノコ狩り人気が高まるにつれ、食用に適さないキノコによる中毒事故の件数も増えている。多くの自治体はキノコ鑑定所を設けており、集めたキノコを調べてくれる。「キノコ採集には少しのミスも許されない」というのがホウジさんの座右の銘だ。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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