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ランビエール惜しくも3位

2007年フィギア世界選手権で、惜しくも銅メダルだったランビエール選手だが、笑い顔でカメラにポーズ Keystone

フィギュアスケートの世界選手権は3月22日、東京体育館特設リンクで男子自由が行われた。スイスから3連覇を目指したステファン・ランビエール選手は3位に終わった。優勝したのはフランスのブライアン・ジュベール選手だった。

前日のショートプログラムで転倒し6位となり、1位のジュベール選手との差は11点。金メダルは困難との予想だった。2位は自由で好成績を挙げた高橋大輔選手だった。

 ランビエール選手のフリープログラムの題はフラメンコ。最初の4回転トゥループ、3回転アクセルはうまくこなしたものの、その後体力を落としたか2度ジャンプで失敗。最後に力強いスピンを見せたものの優勝には及ばなかった。ビセンテ・アミゴ作曲の『詩人』の情熱的なメロディーに合わせ高度な振り付けが施され、芸術面では高い評価を受け、ランビエール選手が演技を終えると、観客はスタンディングオベイションで評価した。

不死鳥のように

 ランビエール選手はモスクワ ( 2005年 ) 、カルガリー ( 2006年 ) の世界選手権で優勝し、トリノ冬季オリンピックでは銀メダルを獲得したフィギュアスケートのスターだ。しかし、フィギュアスケート選手を続けることに迷いが生じ、今季は興行「アート・オン・アイス」に出場するなど、彼なりの将来への模索があったようだが、今回の世界選手権出場に至った。
 
 「決断を引き伸ばしただけで、スケートを辞めたわけではない。いまは、『星の王子様』のように新世界を発見する旅に出る」。ランビエール選手は、カルガリー優勝後、欧州選手権には欠場。引退かとも思われていたが、スケートを続ける決心をこのように宣言しての今回の世界選手権参加だった。

 昨年12月、富士ゼロックスのコマーシャルに出演するなどし、日本のスポンサーの影響で今回の復活があるとの噂もある。この噂について、以前のコーチ、セドリック・モノド氏は「日本での彼の人気が出場を決心させた」とスポンサーの圧力はなかったと言う。

 今回の選手権にはスイスからはこのほか、ジャマル・オットマン選手 ( 18位 ) とサラ・マイヤー選手が参加した。女子は24日に結果が出る。

swissinfo、マティアス・フォアドボ、佐藤夕美 ( さとう ゆうみ )

<ステファン・ランビエール>
1985年4月2日生まれ
身長177cm
1992年フィギュアスケートを始める。
コーチ ペーター・グリュッター
今シーズンのプログラム
ショートプログラム 映画『血のダイヤモンド』から
フリースタイル 『詩人』 ( ビセンテ・アミゴ作曲 )

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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