祖国に帰った難民がスイスの難民認定を喪失するルールについて、スイス連邦議会は例外を設けることを決めた。
このコンテンツが公開されたのは、
国民議会(下院)は9月末、難民が祖国に帰った場合に難民認定を自動的に取り消すルールを可決。これに対して全州議会(上院)は、祖国への帰還が義務付けられていると証明できる場合には難民認定を留保するよう求める動議を提出・可決した。下院でも13日、この動議が199票対66票で可決された。
この例外は、これまでの慣例を踏襲するもの。これまでは祖国に帰る義務があることを当局が証明しなければならなかったが、今後は難民側に証明責任が移る。
保守・右派のスイス国民党は動議に反対票を投じた。同党のジャン・ルック・アドール議員は、「スイスの難民政策は最低限の信頼性を保証する必要がある」と主張した。シモネッタ・ソマルーガ司法相は、いかなる例外の廃止も「非人道的」であるとコメントした。
上下両院は、国境を接している国に移動する難民に関する措置についてはすでに合意している。例えばエリトリア人難民がエチオピアを経由して帰国するのを防ぐために、当局は全ての難民に特定の国を通ることを禁止できるが、例外を認めている。
続きを読む
おすすめの記事
スイス、難民受け入れ継続
このコンテンツが公開されたのは、
スイスは「第三国定住制度」の枠組みで、2019年に難民800人を受け入れる。受け入れ難民の大半はシリア出身。
もっと読む スイス、難民受け入れ継続
おすすめの記事
難民救助船「アクエリアス」号へのスイス国旗掲揚を嘆願
このコンテンツが公開されたのは、
スイスのNGOらは9日、スイス連邦政府に対し、難民の救助船「アクエリアス号」にスイス国旗を掲げることを認めるよう請願書を提出した。請願書には2万7千筆の署名が集まった。
もっと読む 難民救助船「アクエリアス」号へのスイス国旗掲揚を嘆願
おすすめの記事
スイスで新しい人生を歩みたい 見習い職業訓練を通じた難民の社会統合
このコンテンツが公開されたのは、
スイスに住む多くの難民同様、ソロモン・アクリルさんもまだ仕事を見つけられないでいる。しかし、2018年8月から、ベルン州のある会社で見習いをしながら職業学校に通えることになった。スイスは現在、難民の職能を高めようとしているところだ。4年間で4680万フラン(約54億円)を投資する。
もっと読む スイスで新しい人生を歩みたい 見習い職業訓練を通じた難民の社会統合
おすすめの記事
「自分の人生を自由に生きたい」 エリトリア人難民の場合
このコンテンツが公開されたのは、
エリトリア人難民のミキさん(18)は、スイスメディアの偏った報道によってエリトリア人の印象が悪くなっていると訴える。また、エリトリア人難民申請者と、スイスで生まれたエリトリア人の間には天地の差があるという。
もっと読む 「自分の人生を自由に生きたい」 エリトリア人難民の場合
おすすめの記事
難民が写すスイスの伝統行事
このコンテンツが公開されたのは、
サシ・スブラマニアムさんはスリランカからスイスにやってきた難民だ。母国でジャーナリストとして働いていたが、スイスでプロカメラマンの職業訓練を受け、卒業制作のテーマに「スイスの伝統行事」を選んだ。各州で16の地域のお祭りや行事を観察し、レンズを向けた。
もっと読む 難民が写すスイスの伝統行事
おすすめの記事
難民申請者が学ぶスイスの暮らし、仕事、そして性教育
このコンテンツが公開されたのは、
スイスでは難民申請者を対象に、暮らしのルールを伝える特別講座を開いている。講座では部屋探し、職場での振る舞い、そして性教育など、具体的なレクチャーが行われる。
もっと読む 難民申請者が学ぶスイスの暮らし、仕事、そして性教育
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。