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どうにも止まらない 【2010年】世界が笑った スイス閣僚の「オモシロ答弁」

人は誰しも笑いが止まらなくなるときがある。スイスの元閣僚ハンス・ルドルフ・メルツ氏もその一人。しかも「笑いのツボ」にはまってしまったのは、よりにもよって連邦議会の答弁の場だった。2010年9月、その映像は瞬く間に世界中に広まり、メルツ氏は一躍時の人となった。

事が起こったのは、10年9月20日の国民議会(下院)の秋会期。国民党のジャン・ピエール・グリン議員から味付け肉の輸入増に対するスイス税関の規制を問われ、メルツ氏が財務相として壇上に立ったときだった。

メルツ氏は税関官僚の書き上げた答弁書を読み始めたが、「味付け肉」と一言言えばすむところを、あまりにも役人的で難解な言い回しだったため、笑いをこらえられなくなってしまった。時折声が裏返りながらも何とか読み進めたが、グラウビュンデン州特産の干し肉「ビュンドナーフライシュ(Bündnerfleisch)」が登場した部分では、「ビュ…ビュンドナーフライシュ!」と涙を流して爆笑。議場も大きな笑いに包まれた。

答弁の最後、メルツ氏は「自分ですら、読んでいて理解できなかった」とわびた。

これがうわさのビュンドナーフライシュ。牛の赤身に塩、ハーブ、香辛料をすり込み、低温で熟成させる

(Keystone)

答弁の一部始終は国内外の報道機関がこぞって報じた。Youtubeにもアップされた動画は瞬く間に世界中に広がり、メルツ氏は一躍有名人に。トルコではトルコ語の字幕付き動画他のサイトへがネット上に出回り、8万人が視聴した。

グラウビュンデンの人たちは笑われて怒り出すかと思いきや、早速この動きに便乗。10年9月23日付の無料紙20min.他のサイトへによると、グラウビュンデン州観光協会(GRF)とグラウビュンデン州の干し肉製造者協会(VBF)はメルツ氏の似顔絵ラベル付きのパッケージを作り、ベルンの連邦議事堂前で政治家や通行人にビュンドナーフライシュを配った。

当時の様子を撮影したのが下の映像。映像の最後に、メルツ氏本人に手渡すところが映っている。パッケージのラベルには「どんなときもユーモアを忘れずに」と書かれていた。

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ハンス・ルドルフ・メルツ

元連邦議会議員。1942年11月10日生まれ。アッペンツェル・アウサーローデン準州出身。ザンクト・ガレン大学卒。ビジネスコンサルタントを経て1997年、スイス急進民主党の全州議会議員に当選。2003年12月~10年10月末まで連邦内閣閣僚、2004年~10年まで連邦財務相。2008年は副大統領、2009年は連邦大統領を務めた他のサイトへ(スイスの大統領は1年ごとの交代制)。

インフォボックス終わり

(映像・SRF, 文・宇田薫)

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