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クリプト・バレー 日本のネット企業がスイスのICO市場に進出

コワーキングスペース「クリプト・バレー・ラブス」

スイス・ツーク州は「クリプト・バレー」と呼ばれ、多くのフィンテック企業が集まる。スタートアップ向けコワーキングスペース「クリプト・バレー・ラブス」も登場した

(© KEYSTONE / ALEXANDRA WEY)

日本のインターネット企業、グローバルウェイが海外で独自の仮想通貨の発行に乗り出す。国際展開の舞台に選んだのは、フィンテック先進国を目指すスイス。クリプト・バレー(暗号の谷)と呼ばれるツーク州に子会社を設立し、仮想通貨を利用した資金調達「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」を申請する予定だ。

イニシャル・コイン・オファリング スイスのスタートアップ企業が切り開く新たなビジネス

ベンチャー企業などが仮想通貨を売って事業資金を得る手法「イニシャル・コイン・オファリング(ICO)」の勢いはさながらゴールド・ラッシュのようだ。旧来の資金調達方法に比べて規制がなく、スイス企業も先頭に立ってその波に乗る。

「スイスはICOに対して好意的で、ツーク州は世界で最もICOに力を入れている。優秀な技術者も確保できる」。グローバルウェイ(東京都)の各務(かかむ)正人社長は、個人の空き時間を売買するシェアリングサービス「タイムチケット」を世界に広げる足がかりにスイス・ツーク州を選んだ理由をこう話す。同社は子会社Time Ticketの設立手続きを進めており、完了次第、ICO実施に向けてスイス連邦金融市場監査局(FINMA)に認可申請する。

あらゆる時間シェアで取引実績を移行可能に

 タイムチケットは個人が空き時間をネット上で売買できるプラットフォームで、現在は日本で約10万人が利用している。例えばAさんが「恋愛アドバイスします」「1時間5000円」「東京都」などサービスと料金などを明記したタイムチケットをサイト上で売り出す。チケットを購入したBさんにAさんがサービスを提供すれば、そこで取引は完結する。

 同社はタイムチケット上で個人の時間を定量的に評価するトークン「タイムコイン」と、そのプラットフォームを新たに開発する。「タイムコイン」システムでは、AさんはBさんなどサービス利用者らの評価に応じて仮想通貨「タイムコイン」を受け取る。タイムコインにはブロックチェーン技術を活用してAさんの取引実績や評価を記録し、タイムチケット以外のシェアリングサービスでも使えるようにする。例えばAさんはタイムチケットで実績を積み、1時間1万円で販売するようになると、別のサービスでも最初から1時間1万円で空き時間を販売できるようになる。

 各務氏は「個人の時間に対する新しい評価システムを作る。この仕組みを、これまで政府や銀行などに決められていた評価軸に代わるものにする」と意欲を語る。

クリプト・バレーでは薄い日本の存在感

 この仕組みの開発資金を集めるにあたり、グローバルウェイはICOという道を選んだ。目標額は40億円と報じられている。

 ICOが大ブームとなった2017年、世界で40億ドルが調達された。ローザンヌ応用科学大学の試算では、スイス企業は8億5千フランを調達した。連邦・州政府もICOを積極的に受け入れる姿勢を明確にしている。FINMAは今年2月、「投資家や金融システムの健全性を守る法律に即した形で、ICO案件を組成できるようにする」(マーク・ブランソン最高経営責任者)べく、マネーロンダリング(資金洗浄)防止法や証券取引法の関係をまとめたガイドライン(指針)を発表した。

 日本は17年4月、世界に先駆けて仮想通貨を資金決済手段として公的に認めたものの、ICOについては政府が議論に着手したばかりだ。

 スイスにはそもそも財団形式で資金を募り、非政府組織(NGO)やチャリティー活動を支える文化が根付いている。財団は私企業から切り離され、中立公正な役員が組織規約に則って寄付金を管理。私腹の肥やしに使われないという信用がある。ICOを立ち上げやすい環境を求め、米中からもフィンテック企業が集まりつつある。

 だがチューリヒで日本企業のスイス進出を指南するビジネスコンサルタントの鈴木桂氏は「ツークでは日本企業の存在感はまだまだ小さい」と話す。日本は世界のビットコイン取引量の約6割を占める仮想通貨大国だが、逆にビジネスが日本国内で完結し、海外に出て行く必要性に乏しい。「日本との距離・時差や言葉の壁も障害になっている」(鈴木氏)という。

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