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スイスのヨーデルフェストにも出場 アルプスの心歌う日本のプロヨーデル歌手 北川桜さん

北川桜さん

日本人のプロヨーデル歌手、北川桜さん

(SRF-SWI)

アルプスで生まれた音楽ヨーデルを日本で広める歌い手がいる。声楽家で、日本では唯一のプロのヨーデル歌手、北川桜さんだ。本場で技術を磨き、日本中を回ってコンサートを行うほか、スイスのヨーデルフェストやドイツのオクトーバーフェストにも出場するなど活躍している。北川さんは「ヨーデルで日本の人たちの心を元気にしたい」と話す。

 6月下旬の夜、スイス南部ヴァレー州ナーテルスの教会に、アルプスの民族衣装を着た北川さんがいた。3年に一度開かれる国内最大のヨーデルの音楽祭、連邦ヨーデルフェスト他のサイトへのコンテストだ。アコーディオンの伴奏に合わせ、スイス人なら誰もが知っているヨーデルの名曲をベルン地方の方言で伸びやかに歌い上げる。6分半にわたる圧巻のステージを終えると、満員の観客席から「ブラボー!」と大きな拍手が挙がった。

 翌日には、スイス公共放送(SRF)の民族音楽番組「ポッツムジーク他のサイトへ」にアジア人ではただ一人出演し、その歌声を披露。地元紙ヴァリサー・ボーテも北川さんのインタビュー記事を顔写真付きで掲載し、「東京からはるばるやってきた日本人ヨーデル歌手」と紹介した。フェストに参加した日本人は他にも数人いたが、北川さんに対する注目度は飛び抜けていた。

ヨーデルの魅力に目覚める

 ヨーデルはスイスやオーストリア、ドイツのアルプス地方で発展した民族音楽で、牧童が牛を呼ぶときの声が発祥だとも言われる。北川さんによると、ドイツならアップテンポな曲、オーストリアならきれいな旋律の曲、スイスはハーモニーを楽しむ人生賛歌、とそれぞれ音楽性も違う。北川さんはこれら全てのヨーデルをマスター。歌詞のドイツ語の方言も使い分ける。

 北川さんとヨーデルの出会いは6歳の時。家族でスイスを旅行したとき、訪れたビアホールでヨーデルの演奏をやっていた。「音楽に合わせてみんなで一緒に踊ったのがとても楽しかった」という。アルプスの美しい草原や家並みにも強く心を引かれた。

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 北川さんはその後、日本の音大に進学。声楽家としてオペラやミュージカルに出演する傍ら、都内のビアホールなどで歌う仕事もしていた。そんな時、あるビアホールでドイツから来たヨーデル歌手のライブがあった。250席あるテーブルは満席。アップテンポの楽しいメロディーに、客もいつの間にか総立ちになって歓声を送った。その場に居合わせた北川さんは「こんな風に音楽で人を楽しませたい」と強く思ったという。

 その後1992年から毎年、仕事の合間に2週間から1カ月の休みを作ってスイスやドイツへ短期留学。本場のヨーデルの第一人者マリーテレーズ・フォン・グンテン氏らに師事し、技術を磨いた。

 1994年にはヨーデルを中心とした音楽バンド「ヨーデル北川桜とエーデルワイスムジカンテン」を結成し、日本各地でコンサートを重ねた。2008年にスイスの連邦ヨーデルフェストに初めて出場し、確かな技術に裏打ちされた伸びやかな歌声を披露。優れた実力を持つ人に贈られる最高級の「エルステクラス(1級)」を獲得した。翌年にはスイスで日本人初のヨーデルのCDアルバムを発売し、話題になった。

ヨーデルで元気付けたい

 現在は個人で、あるいは自身が率いる「エーデルワイスムジカンテン」とイベント会場や小学校などを精力的に回り、コンサートを行う。「曲目はあえて決めずに、会場が静かな歌を求めていれば落ち着いた曲、逆の場合は元気が出るアップテンポの曲と、雰囲気を見て使い分けている」という北川さん。歌の合間にスイスの文化を紹介したり、アルプホルン演奏やダンスを取り入れたりするなどの趣向も凝らしている。

 北川さんにとって、ヨーデルの魅力は「オペラがつやのある華やかさが特徴だとすれば、ヨーデルの音色はシンプルでピュア。人の心にすっと入り込むことが出来る」と語る。北川さんは「日本人はいつも時間に追われ、とても疲れている。そんな日本の人たちの心を、ヨーデルで元気付けていけたら」と話している。

北川桜さんのプロフィール

東京都出身。国立音楽大学声楽科卒。二期会オペラ会員。

数多くのオペラ、ミュージカルに出演する傍ら、1992年からドイツやスイスに定期的に音楽留学し、本場のヨーデルの第一人者に師事。

1994年にヨーデルを中心とした音楽隊「ヨーデル北川桜とエーデルワイスムジカンテン」を結成。演奏活動で全国を回る。国内外のテレビ番組にも多数出演。

2008~2017年まで、3年に一度のスイス・連邦ヨーデルフェストに毎回出場。いずれも優れた実力の歌い手に送られる「エルステクラス(1級)」を獲得。

2009年、スイスで日本人初のヨーデルCDアルバム「Es Fäscht für mis Härz」を発売。

2011年にはドイツ・ミュンヘンのオクトーバーフェストにアジア人ヨーデル歌手として初めて公式ゲスト出演。12、13年も続けて出演する。

ライブはヨーデル、アルプホルン演奏、ダンスなど多彩。自他共に認める「盛り上げの達人」。

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