スイスの雇用状況は非常に安定している。世界的な経済危機が発生しても、スイス経済に壊滅的な影響を与えることはほとんどない。

フルタイムの労働時間は週平均41.7時間だが、有給休暇は年間最低20日とほかのヨーロッパ諸国よりも少ない。祝日の数は州によって異なり、概して8日から9日。

スイスのUBS銀行が2012年に行った世界72都市の調査(英語)によると、チューリヒとジュネーブの手取り給与額と購買力は上位にランクされている。

給与水準には地域によって大きな差がある。連邦統計局(BFS/OFS)が行った州別の所得(英/独/仏語)に関する最近の調査(2005年、英/独/仏/伊語)によると、年間の最高所得額と最低所得額の差は、1人当たり約7万7000フラン(約699万円)にもなる。たとえばバーゼル・シュタット準州の平均年間所得は11万5178フラン(約1045万1582円)だが、ジュラ州は約3万8070フラン(約345万4581円)。

この格差は、各地の経済活動の違いによる。バーゼル地方は製薬業が盛んなため所得水準が高い。またチューリヒとジュネーブの1人当たりの賃金は比較的高いと同時に購買力も高い。

失業率もまた地域によって異なる。フランス語圏とイタリア語圏の失業率はドイツ語圏よりも高い。また男性よりも女性、そしてスイス人よりも外国人の失業率の方が高い。

外国人労働者

スイスの労働者の4人に1人は外国人。スイス経済はどの業界も外国人労働者無しには成り立たない。

スイスとEUが締結した「人の往来の自由に関する協定」は、EU加盟国の労働者の流入をスイスにもたらした。またスイス人が外国人より優先的に雇用されるという特権もなくなった。

EU加盟国でスイスに最多数の労働者を送り出している国はイタリア。イタリア人就労者の大半は短期滞在者。しかし、30年以上の長期滞在者の中でもイタリア人の割合は多い。

スイスで就労するドイツ人も多く、スイスのドイツ人人口は大きい。高資格を持った管理職、教師、医療関係者が4年以下の滞在をするケースが多い。

スイス在住の外国人人口の統計は連邦統計局(BFS/OFS)の2008年の報告書(独語)を参照。

越境通勤者

越境通勤者は、スイスで働くEU加盟国の就労者の中では特別なカテゴリーに属する。本来、彼らの居住地と勤務地は特定の国境地帯に限られていたが、それらの規制は無くなった。

イタリアとドイツの越境通勤者もいるが、半分以上はフランスに居住。スイスの北西部、レマン湖周辺とティチーノ州で働く越境通勤者が多い。

スイスの外国人就労者についての詳細は、移民・人口調査のスイス・フォーラム(英/独/仏語)のウェブサイトを参照。

一般的な注意事項

一般的にスイスでは解雇は最後の手段。雇用主は解雇に対して非常に消極的で、景気が回復するまで労働時間の短縮で乗り切ろうとする傾向が強い。

自由契約に基づくフリーランスにはさまざまな職種があるが、スイスでしばらくの期間働いた外国人がフリーランスになる場合、まず州政府からフリーランスの労働者である証明書を取得しなければならないため、雇用の前にその提示を求められることもある。労働法はこの点について非常に厳しいため、それが無い場合はフリーランスとしてではなく、実質的に正社員の雇用と同様の扱いになる。

雇用と失業についての詳細は、連邦経済省経済管轄局(SECO)のウェブサイト(英/独/仏/伊語)を参照。

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