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スイスの政治 スイスの政党資金規制案をめぐる議論

 イニシアチブ

政党の政治資金の透明化を求めるイニシアチブ(国民発議)は2017年、11万人分の署名を集め、内閣事務局に提出された

(© Keystone / Anthony Anex)

スイス全州議会(上院)は、政党の政治資金の透明化を求めるイニシアチブ(国民発議)に対して、規制を弱めた代替案を提案した。だが、これで十分と言えるのか。

上院は今月16日、2017年10月に提起された「政治資金の更なる透明化を」というイニシアチブを反対32、賛成12で否決した。

スイスには、資金や献金者の名前の公開を政党に義務付ける政治資金規正法が存在せず、欧州理事会の腐敗防止担当部局や国際団体から強く批判されている。このため超党派のグループがイニシアチブを立ち上げた。

同イニシアチブは、政党が1万フラン(約110万円)を超える資金や献金者、また10万フランを超える宣伝費については公開を義務付ける。匿名の寄付を受け入れることは違法になる。

規制を緩和

連邦内閣はイニシアチブに反対を表明している。上院では、法規制は必要だが、イニシアチブの内容は行きすぎだとした。その代わり、政治制度委員会が起草した、より規制の弱い対案を支持した。

対案は賛成29、反対13で可決された。対案では、公開を義務付ける献金額は2万5千フラン以上、宣伝費では25万フラン以上とした。

一方、イニシアチブの署名集めにかかる資金は除外する。匿名の政党献金は禁止する。

違反すると4万フランの罰金が科せられるが、「過失」、つまり故意でなかった場合は処罰されない。

2019年スイス総選挙 スイスの選挙戦 闇に包まれた選挙費用

スイスの各政党は10月20日の連邦議会総選挙に向けて激しい選挙戦を繰り広げている。道路沿いや広場、SNSにはポスターやスローガンが次々と登場している。ただ、その選挙資金の出どころは闇に包まれたままだ。その理由を探った。

批判

政党献金の在り方をめぐっては政界で議論が分かれる。

左派と中道派はイニシアチブを支持したが、保守系右派・国民党と中道右派・急進民主党は、議会の対案にも反対している。審議は国民議会(下院)に移るが、議論は難航しそうだ。

イニシアチブの起草に貢献した「トランスペアレンシー・インターナショナル」スイス支部は、上院の対案では規制が不十分だと指摘する。アレックス・ビスカロ副支部長は「対案に示されたギャップでは、法律が事実上存在しないのと同じ」と批判する。

ビスカロ氏は、2万5千フランという設定は高すぎ、献金の大部分が該当しないと話す。「欧州諸国の平均は3500ユーロ(約42万円)だ。イニシアチブ提案の1万フランよりも、はるかに目標から遠い」

トランスペアレンシー・インターナショナルは、政府対案に効果的な執行メカニズムがないこと、また対象が下院の選挙だけで、上院が除外されている点を批判する。

欧州理事会は、スイスの動きを注視している。ただ国内の議論などを鑑み、スイスを「非協調主義者」とする見解は取り下げた。スイスは2020年末までに欧州理事会に報告書を提出することになっている。

イニシアチブと議会の対案は来年、下院で審議された後、国民投票で問われる見込みだ。


(英語からの翻訳・宇田薫)

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