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スイスブランド 出自が大事

一つのブランドが消滅しても、後から新しいブランドが生まれる。スイスの良いイメージを付加価値としたブランドは何千も生まれている

(Keystone)

スイスメイドを意識するスイスブランドがもたらす経済効果は、国内に年間60億フラン ( 約4800億円 ) と算出される。

19世紀に消費市場に出回り始めたインスタントスープ、チョコレート、時計などは20世紀になってスイスの輸出品の代表格となり、イメージブランドとして公共交通、観光にまで半公共的な役割を担ってきた。

 安定と品質の重要さの意味を知る伝統を背景として、スイスの市場に占めるブランド製品の割合は高く、ヨーロッパ諸国ではもっともブランド商品が普及している。これは、生活水準が高いことも意味し、スイスのこうした状況は他国の見習うところだ。ブランド製品が多いほど、国内総生産額は上がる。スイスブランドはヨーロッパ全土に普及しているが、それが永久的なものではないことは、「スイスエアー ( Swissair ) 」が消滅し、UBS銀行のイメージが低下し、銀行の守秘義務の本質が崩れていったことからも明らかだ。

 スイスブランドはスイスの経済に欠かせないと言うザンクトガレン大学のシュテファン・ファイゲ氏にインタビューした。

swissinfo.ch : ブランド商品と普通商品の違いはなんでしょうか。また、ブランド商品の価値とは何ですか。

ファイゲ : ブランド商品は消費者に何かを約束するものです。例えば、サービスの内容や品質の良さといったものです。理性的な価値のほか、感情に訴える価値、つまりステータスや仲間意識といったものもあります。このようにして、正に求めていた商品を高くても買うことができる消費者を魅了するのです。

swissinfo.ch : なぜスイスではブランド商品が他国より多く作られるのでしょうか。

ファイゲ : 例えばドイツ人より、スイス人の方が質の良さを求めるからでしょう。よって、流行語の「ケチはセクシー( Geiz ist geil ) 」という言葉はドイツで生まれたのであって、スイスが発祥の地ではないというのもうなずけます。良い品質を求めることがブランドを生むわけです。

swissinfo.ch : スイスの場合、スイス全体がブランドになっています。ビジネスとして使われるブランドとスイスブランドの関係はありますか。

ファイゲ : 交換関係です。スイスメイドであることをアピールしたりスイスらしさをアピールしたりするのは、その商品をより多く、またより高く売るためです。一方で、スイスブランドができたのは、スイスを代表し素晴らしい商品を作り、サービスを提供してきた企業があるからです。スイスとその商品は理想的に共存しているのです。

swissinfo.ch : スイスブランドだったスイスエアー、またUBSも将来ブランドでなくなってしまう運命にあるのかもしれませんが、ブランドは永久ではありません。スイスブランドが消滅することでスイス全体がダメージを受けるということはありますか。

ファイゲ : ブランドは、運用とケアーが大切です。そうしなければ、消滅することもあります。つまりブランドの所有者がこれを使うことを止めてしまうと死んでしまうということです。スイスエアーのほか、知名度は低くても、たくさんのブランドが市場から姿を消していきました。それは当然の成り行きです。今までのところ、ブランドが消滅してスイスが損害を被ることはありませんでした。

ブランドが消滅していく一方で、新しいブランドも生まれていきます。例えば、比較的新しい「ミグロ ( Migros /スイス小売大手 ) 」のブランド「ハイジ」などは、スイスとの関連がはっきりしたブランドです。

swissinfo.ch : 「スイス」を強調するようになったのはなぜでしょうか。

ファイゲ : その背景にあるのは信頼性です。信頼性が生産地と関連付けられることはよくあることです。スイス全体と関連付けられるだけではなく、例えば観光業であれば「グラウビュンデン」や「チューリヒ」。都市の一区さえブランドになります。

以前は多く見られたスイスの国旗をデザインしたTシャツですが、今はチューリヒといった州の旗に変わってきています。ミグロでも「地域から地域へ ( aus der Region für die Region ) 」というブランドがあります。

同時に、ほかの国をアピールするブランドもあります。例えば「イタリア的な」と謳 ( うた ) った商品。産地をブランドにする方が、しないより良いといえます。基本的には、今後スイスでは地方をブランドにする傾向が増えると思います。

swissinfo.ch : 民間のメーカーのブランドの他に、「連邦鉄道 ( SBB/CFF ) 」といった公共機関や「ユングフラウ」、「マッターホルン」といったブランドもあります。こうした分野ではどのようなブランド規則があるのでしょうか。

ファイゲ : 「スイスコム ( swisscom ) 」や「SBB/CFF」といったブランドは、一部が連邦政府のものであっても、一般には民間企業としてとらえられているので、同じ原理が働きます。ユングフラウは、ユングフラウ鉄道であれば、売り上げや利益が問題となります。マッターホルンについては、スイスの国旗のような効果がありますが、ブランドとしては登録されていません。例えば「サンモリッツ」は登録されています。マッターホルンはスイスであることを象徴しますが、法律的にはブランドにはなりません。しかし、実際には成果を保証するという面で、ブランドになり得ます。

アレクサンダー・キュンツレ、swissinfo.ch
( 独語からの翻訳、佐藤夕美 )

スイスらしさ、有機食品、エコ

5月27日、ベルンで開催された「ブランドデー」では、知的財産協会の副会長フェリックス・アドール氏が、スイスをブランドとした商品はほかの商品と比較して高く売れると発表した。スイスブランドは、有機、エコと比較される効果があるという。
スイス国外では、チョコレートと時計がスイスブランドであれば、それ以外のものより2割高く売れる。工業製品でも同じことが言える。スイスブランドがもたらす経済効果は年間およそ60億フラン ( 約4800億円 ) に上るという。

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シュテファン・ファイゲ ( Stefan Feige ) 氏

ザンクトガレン大学講師。「マーケティング・取引研究所 ( Institut für Marketing und Handel ) 」所員。
マーケティングマネージメントのアドバイス機関でザンクトガレン大学のスピンオフ企業「htp」のパートナー。

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