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難航するスイス・EU枠組み条約 スイス連邦政府、新たな交渉官を任命

EUとスイスの国旗を立てたリムジン

二国間協定に関しては、スイスと欧州連合(EU)は別の方角に向かっている

(Keystone)

スイス・欧州連合(EU)間の枠組み条約を巡る交渉が暗礁に乗り上げている。スイスの連邦政府自身がいつ妥結すべきか、そもそも妥結すべきなのか、答えを出せずにいる。政府は新しい交渉官を任命したが、条約を結ぶ条件や時期などについては不透明さを残した。

 連邦内閣は1月31日、枠組み条約の交渉役を担う連邦外務省欧州局長に、同省国際法局長・法律顧問のロベルト・バルツァレッティ氏を新たに任命したと発表した。着任は2月1日付。これまで交渉を率いていたパスカレ・バエリスヴィル外務事務次官に代わり、今後のEUとのあらゆる交渉を調整。その間に限り、外務事務次官の役職を与える。バエリスヴィル氏は引き続き同省の他の業務を担当する。

 閣僚らは同日の記者会見で、対EU関係の今後の方針を説明した。カシス外相は、連邦内閣は枠組み条約交渉を前進させる意欲があるとしたが、全交渉事項に同意して署名する準備は整っていないと説明。協定は「手段」であって「目的」ではないと強調し、「うまくいけばいくし、うまくいかなければいかない」と言葉を濁した。今後の時間軸については「総選挙のある2019年は難しい」との見方を示し、年内に「windows of opportunity(チャンスの窓)」を活用すべきと述べた。

主な論点

 EUの非加盟国が域内市場に参加するルールは常に更新されており、EUは市場参加国に対しこれらのルールを一律に解釈・適用するよう要求している。それはスイスとの交渉においても同様だ。スイスとEUは2014年以降、制度的な枠組み条約の締結に向け交渉している。これまでの二国間協定の一部(特に市場参加に関する協定)について、新たに規定する狙いがある。

主に議論になっているのは以下の点だ。

  • 協定内容の正しい解釈・適用をいかに確保するか。また新しい状況に応じて、いかに適切に改定していくか。(協定の発効により、スイスにはEUルールを国内に適用する義務が生じる)
  • 協定の適用を一律に監視する手段
  • 協定の一律な解釈をどう確認するか
  • スイス・EU間の紛争の解決手段

  これまでの規定では、外交的・技術的な委員会(通称「混合委員会」)が紛争解決を担当していた。法的な確かさを向上させるため、新たに司法の要素を導入することを検討している。欧州司法裁判所他のサイトへをそれに当てようとしているが、最終判断は欧州司法裁判所ではなく引き続き混合委員会が担う。ただ、問題が生じた場合、スイス・EUともに一方的に欧州司法裁判所に仲裁を求めることができる。

 「よそ者裁判官」

  スイス国内ではこれらの内容を含む協定案に大きな反対が起きている。特に保守系右派の国民党は、スイスの自治権が失われるだけでなく、EU法を際限なくスイスに適用しなければならなくなると批判。また、スイス・EU間の紛争解決において、スイスの国内法を超越した決定権を「よそ者裁判官」らに与えることになると反発している。

 「貿易障壁」

  協定推進派が案じているのは、EUが特に英国離脱後、市場への参入障壁を強めるのではないかという点だ。スイスの安定した経済を保つには、EUとの新たな枠組み条約が不可欠であり、その焦点の一つがEU市場参加権を確保することだとする。ただ、直接民主制が根付くスイスでは、こうした法制は国民投票の対象になる。つまり新しいEUルールを適用する際には、国民投票にかける道が残っており、国民党が主張するような「自動的な適用」にはならないとしている。


(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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