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スポーツかファッションか ユニクロはスイスの英雄フェデラーにプラス?マイナス? スイス進出は?

ロジャー・フェデラー選手

2日始まったウィンブルドン選手権に登場したロジャー・フェデラー選手は、早速ユニクロのロゴが入ったウェアを着て第1試合に勝利し、スイスメディアを沸かせた

(Copyright 2018 The Associated Press. All rights reserved.)

スイス・バーゼル出身の世界的テニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー選手のスポンサーに日本企業として初めてユニクロが加わった。地元スイスではユニクロの店舗がないためブランド知名度は低く、フェデラーのイメージアップにつながるかどうかは評価が分かれる。一部ではユニクロのスイス進出を期待する声も上がる。

 2日のウィンブルドン選手権で、いつも以上にスイスメディアの注目がフェデラーに集まった。いつものナイキではなくユニクロのロゴが入ったウェアを着てコートに現れ、同時にユニクロが「グローバルブランドアンバサダー」に就いたと正式発表したためだ。

「大学のトイレではない」

「大学(Universität)のトイレ(Klo)ではない」。3日付のドイツ語圏の日刊紙NZZ他のサイトへはこんな見出しで読者の関心を誘った。「ユニクロ」は決してトイレを意味するのではなく、1号店の「ユニーク・クロージング・ウエアハウス」に由来すると説明し、同社がフリースジャケットや機能性下着などで市場を拡大してきた歴史を紹介。商品展開のサイクルが極めて速い欧州のファストファッションZARAやH&Mとは異なり「高機能かつ流行に左右されない衣料品で利益を上げてきた」と報じた。

実業家の顔 

 NZZは「キャリア終盤に差し掛かったテニス選手にとって、(欧州では新鮮味のある)ユニクロは(若返り療法などに用いられる)細胞注入療法のようなもの」と評価。総額3億ドル超とも報じられる巨額契約によって「引退後の生活は安泰だ」と報じた。フランス語圏の日刊紙ル・タンは、フェデラー本人が試合後の記者会見で「このブランドで自分のキャリアを終えることを非常に誇りに思う」と述べたことを紹介した。

 フェデラーの地元バーセルの地域紙バズラー・ツァイトゥングは、ナイキからスポーツブランドでもないユニクロに乗り換えたのは、高額の契約金に加え「将来を見据えたもの」と評した。欧州進出拡大の可能性を持つ衣料品ブランドの広告塔になれば、スポーツの成績はそれほど求められないー。引退後を見込んだ戦略をこう分析し、「スポーツマンではなく実業家としてのロジャー・フェデラーを印象付ける」と書いた。

 経済紙ハンデルス・ツァイトゥング他のサイトへは「フェデラーは最もスタイリッシュなテニス選手。彼のプレーは血と汗と涙だけではない。美学がある。その点で(美しさが求められる)ファッションブランドはぴったりだ」とするマーケティング専門家のコメントを紹介した。

イメージダウン

 一方、フェデラーのイメージダウンになると書くメディアもある。ベルン州の地元紙ベルナー・ツァイトゥング他のサイトへは、ユニクロがスポンサーに就くとのうわさが数週間前からソーシャルメディアをにぎわせており、「多くの人は、低価格帯に位置するアパレル企業はフェデラーにそぐわないと考えている」と報じた。

 ただ同紙のウェブサイト上で実施している読者アンケート他のサイトへでは、回答者の52.9%が「ナイキ以上とは言わないが、同じくらいおしゃれ」と肯定的な意見で、「なんてこった!ナイキを去るべきではなかった」(30.2%)や「ユニクロって何?サッカーしか見ないから」(16.9%)を大きく上回った(いずれも5日午前9時時点、投票総数2794票)。

 大衆紙ブリック他のサイトへは「キング・ロジャーのために血を流す縫い子達」と題し、ユニクロの賃金不払い問題を糾弾するスイスの人権NGOパブリック・アイの声明を取り上げた。ユニクロがインドネシアのジャバ・ガーミンド工場への注文を突如打ち切ったため工場が倒産。職を失った労働者たちに賃金が支払われていないという。パブリック・アイは今回のスポンサー契約を機に、賃金支払いを訴えるウェブサイト「ハロー・フェデラー.ch」を立ち上げた。ドイツ語圏の地域紙ターゲス・アンツァイガーもこの動きを報じた。

 北西部広域の地域紙ノードヴェストシュヴァイツは、11社に上るフェデラーのスポンサーが自動車からコーヒーマシンメーカーまでさまざまなため「手当たり次第という印象を与えかねない」とする論説を掲載。ユニクロとの契約を最後に、当面スポンサーを増やすべきではないと釘を刺した。

スイス進出の可能性は?

 スイスの国民的英雄がまとう「ユニクロ」の衝撃に乗じ、スイス進出を取りざたするメディアもある。欧州では現在、英国やフランス、ドイツなどに店舗があるが、スイスには実店舗もオンライン販売もない。

 無料紙20min.は「ユニクロのような小売企業は、かつてのように日和見で出店することはなくなった。場所や大きさなどを熟慮した詳細な出店戦略を持っている」とする市場専門家のコメントを引用した。ユニクロにスイス進出の可能性を問う質問に対しては回答がないという。

 ベルンの地域紙ブントは、ユニクロの低価格帯を「スイスでは全く想像できない」と否定的な見方を示したが、ハンデルス・ツァイトゥングは「スイス進出後1年で撤退したイタリアのアパレルOVSに比べれば、ユニクロはフェデラー効果で成果を上げそうだ」と予測した。

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