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バーゼルワールドvsジュネーブサロン スイスの2大時計見本市、開催時期の集中に悩むメーカー

watch maker

見本市では新商品のほか、匠の技が披露される

(swissinfo.ch)

バーゼルワールドとジュネーブサロン(SIHH)。スイスの2大時計見本市が2020~24年、開催時期を連続させることで合意した。その裏にはスイス時計業界の複雑な事情がある。

高級時計国際サロン(SIHH)、通称ジュネーブサロン。1月14~17日の会期中、会場は日本や中国、欧州の時計販売業者でひしめき合った。

各ブースでは高級ブランドが最新コレクションを披露。ただそこでバイヤー達が狙いを定めたとしても、実際の発注に至るのはバーゼルで開かれるもう一つの見本市、バーゼルワールドが終わる3月以降になりそうだ。

2020年はSIHHが4月26~29日に開かれ、間髪開けずにバーゼルワールド(4月30日~5月5日)が続く。もちろん偶然などではなく、両主催者が24年まで開催時期を連動させると合意したためだ。

「SIHHと協議した結果、訪問者、メディア、そして全時計産業関係者にとってメリットとなる解決策を見出した」。バーゼルワールドの事業本部長、ミシェル・ロリス・メリコフ氏は昨年12月の記者発表にこう発言した。

確かに海外バイヤー達には朗報だ。

スイス時計H.モーザーなどを取り扱う日本の時計輸入・販売企業、イースト・ジャパンの田中邦宏氏は「3カ月の間に二つの見本市に行くのは大変だ。時計業者にとっても、その短い期間にそれぞれに向けて目玉商品を用意するのは難しい」と指摘する。

バーゼルワールドからの撤退を表明する時計企業が相次ぐ中、バイヤーは二つの見本市が同じ時期に開催され、撤退企業の商品もSIHHでカバーできることを喜んでいる。

「地球の裏側から来る企業にとっては、そこでの出会いが多いほどビジネスチャンスが広がる。時計産業は人間関係の上に成り立っており、見本市に存在しなければその人間関係を築けなくなる」。ネパールの時計販売スイス・タイムピーシズのアンクール・ジュンジュンワラ氏はこう語る。

時計は製薬、機械に次ぐスイス第3の産業で、2017年の総生産高は200憶フラン(約2兆2千億円)だった。輸出額の53%はアジア向けだ。

時計産業のジレンマ

バイヤー達が2大見本市の協力関係を歓迎する一方、時計メーカー側は浮かない顔だ。

オランダの時計メーカー、グローネフェルド。その最新モデル「1941ルモントワール」は4万5千ユーロ(約560万円)を下らない高級ブランドだ。二者択一を迫られた挙句、来年はバーゼルワールドではなくSIHHに出展すると決めた。

創業者のバート・グローネフェルド氏は、スイスインフォの取材に「我々は2週間もフルスロットルで働けるロボットではない。別の場所で同じ面構えに会うだけで、金の浪費にしかならない」とぶちまけた。

両会場の顧客に対応するだけのスタッフを手配できるかという問題もある。

「二つ目(バーゼルワールド)に入るころにはスタッフも疲れ切っているし展示する時計も手垢まみれになっている。不幸なことだ」。2020年はどちらか一方への出展に絞ると決めたローマン・ゴティエはこう明かした。

唯一時計メーカーが揃って喜んでいるのは、来年1月のSIHHに向けた準備をしなくて済むということだ。

独立時計師のカリ・ヴティライネン氏は「SIHHは、クリスマスシーズンから会計年度が終わるまでの繁忙期が過ぎてから開催される方がよい」と話す。同氏も20年はどちらの見本市に参加するかを決めかねている。

「それは、出展者たちが我々に何を提供してくれるか次第だ」(ヴティライネン氏)

バーゼルワールドとSIHH

バーゼルワールドは世界最大の時計・宝飾品見本市で、今年は3月21~26日に開催。1917年にバーゼルで開かれた産業見本市「スイス見本市」が前身だが、当時は時計や宝飾品のブースはごくわずかだった。2019年の見本市では約700ブース、10万人の動員を見込んでいる。

「ジュネーブサロン」とも呼ばれるSIHHは1991年、リシュモングループがバーゼルワールドに対抗すべく創設した見本市。今やスイスの時計業界の一大イベントになっている。2019年は1月14~17日に開催され、35ブランドが参加。例年より1日少ない開催期間中、前年比15%多い2万3千人が訪れた。

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(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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