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ブログ「もっと知りたい!スイス生活」 ティチーノ州の訪れてみたい教会ベスト3

スイスのキリスト教施設といえば、世界遺産のザンクト・ガレン修道院などが有名ですが、スイス各地には、日本でまだあまり知られていない歴史的価値のある建物がたくさんあります。今回は、私が暮らす南スイス、ティチーノ州のおすすめベスト3をご紹介します。



世界的建築家マリオ・ボッタがデザインしたサン・ジョバンニ・バッティスタ教会。天窓から降り注ぐ光が幻想的な世界を作り出します

世界的建築家マリオ・ボッタがデザインしたサン・ジョバンニ・バッティスタ教会。天窓から降り注ぐ光が幻想的な世界を作り出します

(swissinfo.ch)

 スイスは国教を定めていませんが、国民の約3分の2はキリスト教徒ですし、また多くの祝日はキリスト教に由来しています。スイスを旅していると、小さな村にも教会があり、この国のキリスト教との関わりの深さを感じます。

 もちろんここティチーノ州にも、素晴らしい教会がたくさんあります。世界的に知られる壮麗な教会に比べればつつましやかですが、今も市民の信仰の中心である静かな佇まいは、一度は訪れる価値があるものばかり。私の個人的な好みですが、おすすめの教会を三つ選んでみました。



ルガーノの街並みに溶け込むように建っているサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会

ルガーノの街並みに溶け込むように建っているサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会

(swissinfo.ch)

 一つ目は、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会(Chiesa di Santa Maria degli Angeli)。1515年に完成したこの教会には、スイスのルネッサンス期に生まれたフレスコ画の中で最も有名な作品、ベルナルディーノ・ルイーニの傑作『キリストの受難と磔刑図』が描かれています。



ベルナルディーノ・ルイーニの『キリストの受難と磔刑図』。ルイーニは15世紀末〜16世紀初頭に活躍したミラノ派の画家で、レオナルド・ダ・ビンチと直接働いたといわれています

ベルナルディーノ・ルイーニの『キリストの受難と磔刑図』。ルイーニは15世紀末〜16世紀初頭に活躍したミラノ派の画家で、レオナルド・ダ・ビンチと直接働いたといわれています

(swissinfo.ch)

 教会の外観はとても簡素ですが、中に入るとルイーニの色彩豊かな大作が圧倒的な迫力で迫ります。ほかに南側壁面の『最後の晩餐』、第一礼拝堂内の『聖母子と聖ジョバンニーノ』も必見。ティチーノ州最大の街ルガーノの中心にあり、滞在のついでに訪れるのにも便利です。



ローマ時代から続く古い街、リーヴァ・サン・ビターレの中に、ひっそりと建つリーヴァ・サン・ビターレ洗礼堂

ローマ時代から続く古い街、リーヴァ・サン・ビターレの中に、ひっそりと建つリーヴァ・サン・ビターレ洗礼堂

(swissinfo.ch)

 二つ目はリーヴァ・サン・ビターレ洗礼堂(Battistero di Riva San Vitale)。5世紀末〜6世紀初頭、初期キリスト教時代の建造物で、スイスに現存する最も古い教会施設です。  

 建物の中にある一枚岩を削って作られた大きな洗礼盤も貴重ですが、こちらは9世紀になって新たに置かれたもので、その下の八角形に掘られた空間(水槽)こそが、千数百年前に洗礼の儀式で使われていました。



洗礼堂の内部。大きな洗礼盤の下、地面に掘られた空間(水槽)が、6世紀から9世紀ごろまで洗礼に使われていました

洗礼堂の内部。大きな洗礼盤の下、地面に掘られた空間(水槽)が、6世紀から9世紀ごろまで洗礼に使われていました

(swissinfo.ch)

 傷みは進んでいますが、壁面には12世紀ロマネスク様式の美しいフレスコ画の痕が多数残されています。白と黒の幾何学模様が描かれた床の一部も建築当時のもの。千年を超える時の重みでしょうか、小さく静謐な室内は荘厳な雰囲気に満ちています。



サン・ジョバンニ・バッティスタ教会。円柱を斜めにカットしたようなユニークな外観で、壁面の十字架に気づかなければ教会とわかりません

サン・ジョバンニ・バッティスタ教会。円柱を斜めにカットしたようなユニークな外観で、壁面の十字架に気づかなければ教会とわかりません

(swissinfo.ch)

モダンすぎるデザインには多くの議論があったそうですが、独特な空間が作り出す厳粛な雰囲気は一見の価値があります

(swissinfo.ch)

 そして最後に、超モダン建築であるサン・ジョバンニ・バッティスタ教会(Chiesa di San Givanni Battista)を挙げたいと思います。ティチーノ州出身の世界的建築家マリオ・ボッタがデザインし、1996年に完成しました。

 教会内に配置されているのは、キリストと聖母子像、説教壇、15人ほどが座れるベンチのみ。すべて地元で採掘された大理石と御影石による白と黒のモノトーンの世界で構成されていて、ミニマムな空間が醸す清浄な美に胸を打たれます。

 標高1180m、マッジャ渓谷(Vallemaggia)のモーニョ(Mogno)という小さな村にあり、アクセスは少々不便ですが、マッジャ渓谷はヨーロッパ屈指の水の透明度と魅力的なハイキングコースで知られ、南スイスの自然と村の美しさを堪能できます。

 ティチーノ州は日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパでは美しい青空と輝く日射しで知られる人気のリゾート地です。機会があればぜひティチーノまで足を伸ばし、これらの教会を訪れてみてください。

奥山久美子

プロフィール:奥山久美子

神奈川県生まれ、福岡県育ち。都内の大学を卒業後、料理や栄養学を扱う出版社に就職。雑誌、書籍の編集業務に携わる。夫の転職に伴い、2012年からイタリア語圏ティチーノ州に住む。日本人の夫、思春期の息子2人の4人家族(+日本から連れてきた猫1匹)。趣味は旅行、読書、美味しいものを見つけること。


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