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ローザンヌ国際バレエコンクール、決勝で菅井さん1位入賞


里信邦子(さとのぶ くにこ), ローザンヌにて


選んだコンテンポラリー作品は「自分を出せる踊りだと思っていた」と菅井円加さん (小川峻毅)

選んだコンテンポラリー作品は「自分を出せる踊りだと思っていた」と菅井円加さん

(小川峻毅)

2月4日に行われた「第40回ローザンヌ国際バレエコンクール」の決勝で、神奈川県の菅井円加(すがいまどか)さん(17)が1位で入賞を決めた。

同コンクールでは、基本的に入賞の8人は同額の賞金を受け取る「同格の入賞者」で順位はあまり強調されない。しかし、菅井さんの場合は「クラシック、コンテンポラリー共に優れている例外的なダンサー」と審査委員長も絶賛するほどの快挙。そのため、今回の「日本人1位入賞」は熊川哲也氏以来のできごとだと誇るに十分値する。再び大型ダンサーが登場した。

自分には練習しかない

 入賞直後「本当に信じられない。踊りの夢の中にいるような感じだ」とまだ興奮冷めやらない様子の菅井さん。「3歳からダンスを始めたが、ここまで来れたのは周りの先生方や両親、そしてサポートしてくれた皆さんのお蔭だと思う。感謝の気持ちでいっぱい。いい経験をさせてもらった」と語った。

 

 留学先はバーミンガムロイヤルスクールを希望し、将来は「観てくださる皆さんを感動させるようなダンサーになりたい」。また、吉田都さんの踊りが「憧れ」だそうだ。

 今回、菅井さんはコンテンポラリーに、キャシー・マーストン氏の作品「リベラミー(Libera Me)」を選んだが、その一つ一つの動きに緊張感が溢れ、客席からも歓声が上がった。またコンテンポラリーに優れたダンサーに贈られる「コンテンポラリー賞」も射止めている。「自分を自由にしたいという内容のこの作品は私に合っていて、自分を出せる踊りだと思っていた。だから、クラシックとは違う一面を皆さんに観てもらえたらと思い、一生懸命練習して臨んだ」と言う。

 さらにこう続ける。「クラシックも同じく、毎日練習した。練習しない日はない位やった」。「今1位になれたのもこの練習のお蔭だと思う。海外からどんなに優れたダンサーがこのコンクールに集まるのだろうかと不安だったので、よけいに自分には練習しかないと思っていた」

審査員も高い評価

 こうした菅井さんを、今年の審査委員長ジャン・クリストフ・マイヨ氏は「円加のクラシックは、円熟した完成度の高いもので驚いた。同時にコンテンポラリーの表現も素晴らしかった。一般にダンサーはクラシックかコンテンポラリーのどちらかにより優れているものだ。ところが円加の場合は両方に優れている。両者に境界線を引かず、両方必要だと知ってもいる。今後のダンス界を象徴するようなダンサーが登場した」と絶賛した。

 審査員の1人、吉田都(みやこ)氏も「練習のときから、理解の仕方や反応が早く、審査委員たちも注目していた。しかし、特に昨日舞台で審査が始まったときから急に輝きだした。とび抜けていた。それが今日の決勝でさらに良くなった。その結果が1位に繋がった」と高く評価した。

 さらに、「コンテンポラリーは素晴らしく、将来どんな振付家の作品でも、菅井さんならどんどんとチャレンジできる。そういう意味で成長が楽しみだ。一方、クラシックも優れているので、幅広く踊れる。今、バレエ団はそういうダンサーを求めているので多くのカンパニーからオファーが来ると思う。世界を舞台に活躍できる大型のダンサーだ」と期待する。

 これら菅井さんが卓越している根底の理由は、「ダンスの質の高さ、全体の体の動きのコーディネーションが本当に素晴らしいからなのだ」とも付け加える。

コンクールの総括

 最後に、今回のコンクールを総括してマイヨ氏は「毎年、今後の成長が期待できるダンサーを選ぶのがこのコンクールの特色だが、今回は非常にレベルが高かったので、容易に選抜ができたし、また、ダンス界の将来の発展も大いに期待できる」と話した。

 また、今年は40周年を記念し、かつての入賞者だけが審査員を務めたが、そのことを、「我々は、生徒の側にいた人間なので彼らの立場やストレスがよく理解できた。だからこそ彼らを励まし心を込めた審査ができたと自負している」とまとめた。

入賞者

1位 菅井円加さん(日本)
2位 ハンナ・ベッテスさん(アメリカ)
3位 エドゥソン・バルボサ君 (ブラジル)
4位 ニコラスウス・トゥドラン君(オーストラリア)
5位 ミカエル・グリュネッケー君 (ドイツ)
6位 ソニア・ヴィノグランドさん (スペイン)
7位 レ・ワン君 (中国)

8位 ワン・ミンシャン君(中国)

 

なお、菅井さんは神奈川県厚木市在住の高校2年生。「佐々木三夏バレエアカデミー」の生徒。

ローザンヌ国際バレエコンクール

1973年ローザンヌで、ブランシュバイグ夫妻によって創設された「ローザンヌ国際バレエコンクール ( プリ・ドゥ・ローザンヌ ) 」は、15~18歳の若いダンサーを対象にした世界最高の国際コンクール。

その目的は伸びる才能を見出しその成長を助けることにある。
 
40周年を迎えた今回のコンクールには、DVD の審査で226人の候補者の中から世界19カ国の79人が選ばれた。

日本は19人と最多の人数を送り込んだ。次に中国とブラジルの8人、韓国の6人が続く。スペイン、アメリカからも5人が参加した。

昨年と同様、二つの年齢グループ ( 15、16歳と17、18歳 ) に分かれて4日間の練習を行い、その練習の採点と2月3日の選抜の採点の合計で決勝進出者21人が選ばれた。

この21人の中には、菅井さん以外に日本から以下の4人が選出された。群馬県の早乙女愛毬(あまり)さん、福岡県の田代梢(こずえ)さん、大阪府の藤井彩嘉(あやか)さん、埼玉県の加藤凌(りょう)君。


 4日の決勝では、この中から8人の入賞者が選ばれた。入賞者は同額の奨学金を受け取り、一流のバレエ学校やカンパニーに留学する。

決勝進出できなかった参加者もほぼ全員、最終日のオーディションでコンクールに協力するバレエ学校やカンパニーから招待を受ける。
 
今年はコンテンポラリー・バリエーションに2人の女性振付家。キャッシー・マーストン氏とディディ・ヴェルトマン氏の作品が選ばれた。

swissinfo.ch



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