長距離バスや地方の公共交通機関など、スイスの交通システムは世界最高水準にある。外国から引っ越してきた人や旅行者も、公共交通機関にはすぐ慣れる。街中では車を使わずに生活できる。

しかし車を運転するスイス人は多く、路上を走る車は約400万台に上る。また1997年に始まった車の共有組合の「モビリティ」(英/独/仏語)はどの国よりも大きな成功を収めている。

電車

スイス人は1年間に平均47回電車で旅行をする。実際、スイス人の鉄道使用頻度は日本人に次いで世界第2位。交通と鉄道に関する統計は連邦統計局(BFS/OFS)(英/独/仏/伊語)を参照。

スイス国鉄(SBB/CFF/FFS)や、グラウビュンデンのレーティッシュ鉄道(日本語)の鉄道ネットワークは充実している(英/独/仏/伊語)。レーティッシュ鉄道は、地方の山間で運行している私鉄会社(英/独語)の一つ。

グラウビュンデン州の観光名所アルブラ・ベルニナ線の高架橋は、2008年にユネスコの世界遺産に登録された。ベルナーオーバーラント地方のユングフラウヨッホ駅の標高は3454メートルと、駅の所在地の標高としてはヨーロッパ最高。

車道から鉄道へ

スイスとアルプスはヨーロッパの南北をつなぐ交通路となっている。アルプスを通過する車両の交通量は多い。渋滞を緩和し環境への負担を軽減するために、スイス政府はトラックでの貨物輸送を鉄道に切り替える方針だ。

ドイツ南部の街フライブルク(Freiburg)から北イタリアの街ノヴァラの間を走るスイス縦断鉄道には、車両を運搬できる区間がある。その区間内にあるレッチュベルク(Lötschberg)トンネルはベルナーオーバーラント地方からヴァレー/ヴァリス地方へ抜けるトンネルで2007年に開通した。トンネルを通過する旅客列車や貨物列車の数が多いため、複線にするよう要求が出ている。

10年10月にゴッタルド基底トンネルが貫通した。16年末に開通し、チューリヒ・ミラノ間の運行時間が大幅に短縮される予定。旅客と貨物の高速列車がトンネルを通過するようになる。

郵便バス

鉄道が建設される前は、駅馬車が郵便物や乗客を乗せてアルプス越えをしていた。今日でもスイス郵便は、鉄道の通っていない山間部や地方で長距離バスの郵便バス(英/独/仏/伊語)を運行している。

バスと電車の路線はスイス全国を途切れることなく網羅している。郵便バスの運行時刻も電車の運行時刻と連携している。主要都市にはトラム(路面電車)とバスの両方が走っている。船やボートも湖や河川の多くで運行されている。

スイス・インターナショナル・エアラインズ(Swiss International Air Lines)が本拠地とするチューリヒ空港(英/独/仏語)は、チューリヒ郊外のクローテン(Kloten)に位置する大規模な空港。同社は、かつてスイスを代表していたスイス航空(Swissair)を引き継いだが、現在はルフトハンザ航空の子会社。ジュネーブのコワントラン空港やバーゼルのユーロエアポートはスイス領とフランス領にまたがっている。そのほかベルンとルガーノ(Lugano)にも小規模の空港がある。

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