(Keystone)
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観光はスイスの重要な収入源。とはいえ、今日ではスイス人の海外旅行者もスイスに来る観光客とほぼ同額を外国で消費している。

それでも収支バランスは良く、観光は4番目に大きい輸出産業となっている。2012年のスイス国内における雇用の約4%を観光業が占めている。

当初、観光は夏の娯楽に限られた。冬は深雪に旅行が妨げられ、19世紀の末に主にイギリス人が冬のスイスを開拓し始め、ようやくウィンタースポーツの幕開けとなる。やがてウィンターホリデーはファッションとなった。今日の「オフシーズン」はもはや春と秋の数週間だけだ。

スイスの観光業に関する最近の統計は、連邦統計局(BFS/OFS)(英語)のサイトからダウンロード。

ショートブレイク

このように、現在のスイスにはウインターリゾートやサマーリゾート、あるいは両シーズン用のリゾートも多い。それ以外のシーズンもウェルネス客やさまざまな会議への出席者が利用する。

スイス人の間では日帰り旅行や週末旅行が最も一般的。登山鉄道や湖の蒸気船、山の上のレストランなどは人気が高い。

一方で、特にヴァレー/ヴァリス州、グラゥビュンデン州、ベルン州では、いわゆる「冷たいベッド」現象が問題になっている。多くの貸し別荘はほとんど借り手がなく、所有者が年に数週間だけ利用する程度だ。

スイスのPR活動

観光に無関心な地域はスイスにはない。その形はさまざまだが、基本的には夏は登山、冬はスキーを楽しめる山岳リゾート、そして、ウォータースポーツができる湖畔リゾートが多い。

そのほか、リゾートの要素を併せ持つ都市も多い。また、ジュラ地方のようになだらかな地形のこれといったアトラクションのない所でも観光客が訪れる地方は無数にある。

観光地の多くではイベントと野外活動の両方を楽しむことができる。大きな都市は大体どこも湖畔にあり、ビジネスマンが集う場所であると同時に会議の開催地や、博物館・美術館の所在地でもある。

スイスのPR活動はスイス政府観光局(日本語)が担当。現在、スイスはほかの観光地からおしなべて厳しい競争を強いられているが、スイスのPR活動に対する国家予算は比較的少ない。スイスの観光は今、インドや中国など富裕層が拡大している市場を開拓中だ。

アルプス

スイスを訪れる観光客にとってアルプスは観光の目玉だ。夏は登山や山歩きをする人たちでにぎわい、雪深い冬はスキーに適している。

現在、アルプスを訪れる人たちは当たり前のようにリフトやケーブルカー(独/仏/伊語)を利用する。これらは主に第2次世界大戦後から発達したもので、今日の山岳リゾートは観光客のニーズに合った観光インフラを完備している。

気候変動

ごく最近まで、スイスのウィンターリゾートには「雪があることは当然」だった。しかし現在、地球温暖化により標高1000メートル程度の低い場所では人工降雪機を使ってゲレンデの雪の量を維持しなければならなくなっている。

スイスの連邦政府の気候変動への取り組みに関しては、連邦環境省環境局(BAFU/OFEV)(英/独/仏/伊語)のサイトを参照。

近年、スキーやそのほかの観光活動がもたらす環境への影響が問題になっている。山岳地域では「持続可能な観光」が夏と冬の両シーズンの目標になりつつある。アルプスでは観光が地元経済の重要な役割を担っていることから、このまたとない壮大な風景を未来の世代に残そうという取り組みは当然の動きといえる。

swissinfo.ch