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嬉しい悲鳴? スイスに4千人の中国人団体客 報奨旅行が思わぬヒット

ルツェルンの町に押し寄せた大規模な中国人観光団体客

1度に4千人の中国人団体客が押し寄せ、ルツェルン観光局は異例の対応を迫られた

(Urs Flüeler/Keystone)

スイスの観光地はいつでもどこでも中国からの旅行客でいっぱいだ。中でも人気のルツェルンの地に13日、類を見ない規模の団体客が降り立った。95台の観光バスで押し寄せた中国人観光客はなんと4千人。それも約1万2千人の巨大スイスツアーの第1弾に過ぎない。

ツアーを企画したのは米国の健康・美容品販売企業ジュネス・グローバル他のサイトへ(本社・フロリダ)。中国で同社の製品を一定額以上購入した顧客に、ヨーロッパ最大のラインファル(ラインの滝)やティトリス山のほか、ルツェルンやバーゼル、チューリヒでのショッピングを楽しめる大ツアーに招待した。行き先はスイス政府観光局が選定した。

応募者は1万2千人に膨らんだため、4千人ずつの3グループに振り分けた。それでもルツェルンの観光局は警察や自治体と調整し、街中の交通量を制御するなど対応に追われた。

各グループは5月末まで6日間のツアーに参加する。膨大な参加者は企画したジュネス自身にとっても予想外だったようだ。スイス・ドイツ語圏の日刊紙NZZ日曜版によると、スイスツアー目的に商品を購入すると同社が見込んでいたのは3千人程度だった。スイスインフォはなぜ旅行の行き先にスイスを選んだのか、ツアー催行費用の総額がどれほどになるのか書面で尋ねたが、同社の回答は得られなかった。

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スイスへの中国人観光客の推移を示す折れ線グラフ

延べ宿泊者数は2013年に初めて100万人泊の大台を突破。スイス旅行者のうち中国・香港・台湾からの旅行者が占める割合は、2000年の0.7%から4.5%に増えた。

通常、「MICE」と呼ばれる会議、報奨・研修旅行、国際会議、展示会・見本市の類の団体客は25~80人規模が相場だ。これを上回ることは稀だが、2011年にアムウェイのインド支社の報奨旅行で3500人の販売員がスイスにやってきた例がある。報奨旅行がスイスの一大ビジネスになることは間違いない。

スイスの2015年の観光収入は18億フラン(2200億円) と、11年比で18%減った。延べ宿泊者数は630万人で、うち17.7%はMICE関連と推計される。

中国はスイス観光業界にとって巨大市場だ。中国人旅行者が訪問先のスイスに落とすお金は1400万フランに上ると報じられている。

物議を醸すビジネス

だがこの企画は中国では好ましく思われていない。ジュネスはいわゆるマルチ商法の会社で、同社製品を購入した人に販売員の資格が与えられる。他人を勧誘して販売網を広げるほど、自分の実入りが増える仕組みだ。

中国でも人気のある商法だが批判も多い。17年には北京で地元のマルチ業者に対する抗議デモが起こり、当局にインチキ企業の禁止など取り締まりを求めた。

国営の新華社通信は昨年、ジュネスをマルチ企業と認定。ただ同社のビジネスに不正があるとは非難していない。

世界的観光名所 ベネチアより多い?スイス・ルツェルンを訪れる中国人観光客

スイス中央部の観光地・ルツェルンには毎年およそ900万人の観光客が訪れる。住民1人当たりの観光客に換算すると、かのベネチアを上回る。経済効果は高いが、観光バスや通りを埋め尽くす観光客に迷惑を被る住民も少なくない。(SRF/swissinfo.ch


(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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