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知的財産 その海賊版、スイスの著作権法違反です!

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米国は2016年にスイスを著作権保護が不十分な国として監視対象国に追加した。スイス政府は今年成立した改正著作権法によって、対象外となることを期待する

(Keystone / Karl-josef Hildenbrand)

長年著作権問題について検討を重ねてきたスイスは、法的枠組みを整え知的財産の保護をデジタル時代に合わせようとしている。政府はこれらの改革で米国の監視対象から外れることになると期待する。

インターネット上の著作権侵害との闘いは、連邦議会が9月に可決した改正著作権法の中核を成す。だが処罰の対象は海賊版コンテンツの消費者ではなくプロバイダーだ。改正法は2020年春にも施行される見込みだが、国民投票にかけられる可能性もある。そのポイントを概観してみよう。

スイスの改正著作権法の内容は?

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改正法他のサイトへはまず作家の著作権保護を強化。そのうえでデジタルテレビやストリーミングサービスへの法的アクセスを簡易・迅速化する。

ただ違法映画・音楽を「ピア・ツー・ピア」の共有サイトから私用目的でダウンロードする消費者は処罰の対象にならない。

スイス連邦知的財産研究所(IPI)のサブリナ・コンラッド氏はスイスインフォに対し、「消費者は一般的にサービス提供の合法性を判断する立場にない」ため、消費者を処罰しても大きな意味をなさないと説明した。

改正法が対象とするのは通信事業者(プロバイダー)だ。特にサーバー上のデータ保存スペースを提供するウェブサービス「ホスティングプロバイダー」で、海賊版で利益を上げている企業は処罰の対象になる。サーバー上で著作権を侵害するコンテンツが見つかった場合に、サイトから削除するだけでなく再びアップロードさせない措置を講じるよう法的に強制することができる「ステイダウン」原則が新たに盛り込まれた。全てのプロバイダーに対し、著作権を侵害するコンテンツをサーバーから完全に削除する「テイクダウン」原則も存続する。

ただしプロバイダーに違法(著作権侵害)サイトへのアクセスを遮断する義務はない。著作権所有者団体は、改正に当たり導入を求めていたが、見送られた。

侵害コンテンツを利用した消費者はどうなる?

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法改正前と同様、消費者は映画や音楽などのコンテンツをダウンロードまたはストリーミングして、著作権者の同意なしにオンラインで利用することができる。コンテンツの利用が私的な目的にとどまる限り、消費者が処罰されることはない。

一方、違法コンピューターゲームやソフトウェアのダウンロードは引き続き犯罪となる。コンラッド氏によると、著作権で保護されたコンテンツをビット・トレント他のサイトへなどを通じてアップロードすることも違法だ。

著作権を侵害しているプロバイダーはどうなる?

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サーバーに著作権侵害のコンテンツを保有していたことのあるホスティングプロバイダーに対し、裁判所は同じコンテンツが再アップロードされるのを防ぐよう命じることができる。命令を順守しない場合、違反状態が続く1日ごとに最高1000フラン(約11万円)の罰金が科される。

著作権法の専門家であるコンラッド氏は、「著作権侵害を前提にしたビジネスモデルを持つホスティングプロバイダーは、財務的にスイスでの経営放棄を事実上強制されることになる」と説明する。

著作権侵害者を追跡できるか?

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スイス政府は改正法により2010年の最高裁判決で生じた論争に決着がつくとみている。判決では、オンラインでファイルを共有した利用者のIPアドレスを追跡することは、プライバシー権侵害に当たると判断した。改正法では、著作権の新会社に対して法的措置を講じる目的で個人情報を転用することが合法となった、とコンラッド氏は説明する。

スイスは米国の監視対象から外れるのか?

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米国は2016年スペシャル301条報告書で、著作権保護に問題があるとしてスイスを監視対象に加えた。インターネット上の権利侵害に対し、権利者が権利を行使できず、非常に多くの違法サイトがスイスを拠点にしていると指摘した。

2019年の報告書では、スイスがインターネット上の著作権保護を強化する措置を講じてきたことは歓迎すると表明している。一方で「スイスのインターネット利用者による海賊コンテンツの利用・拡大を食い止めるため、消費者への意識啓発キャンペーンや公的教育、利害関係者の自発的な取り組み」が推奨されるともくぎを刺した。

コンラッド氏は、スイス政府がこれまでにも長年そうした措置を講じてきたと話す。例えば非営利団体「ストップ海賊版他のサイトへ」などを通じて一般の人々を教育している。IPIは、著作権侵害に関する一般からの質問にも回答している。

スイス政府は、2019年スペシャル301条報告書に対する声明他のサイトへで、改正著作権法が「オンライン著作権侵害との闘いをさらに強化し、違法サイトの温床というスイスへの批判に終止符を打つ」と表明した。改正法の施行まで時間があるが、「さらに監視対象リストに載せるのは不当・不適切だ」と訴えた。

「改正法が施行されれば、(米国は)スイスをスペシャル301条報告書の監視リストから削除すると確信している」(コンラッド氏)


(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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