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給与
(© KEYSTONE / ENNIO LEANZA)

スイスの平均給与はどのくらい?スイス人の1週間の平均勤務時間は?13カ月目の給与とは?スイスの給与事情について紹介する。

スイスの給与水準は世界でもトップクラスだが、それだけスイス人はよく働くし、勤務時間も比較的長い。

給与

スイスは給与が高い分、生活費も極めて高い。

給与は1カ月に1回、それに加えて「13カ月目」の給与が支払われる。

13カ月目の給与はボーナスとは異なる。勤務が1年に満たない場合は、働いた期間に応じて調整される。

スイスには法律で定められた最低労働賃金がない。ケータリングサービスやホテルなど、特定の業界では労働契約により最低労働賃金を規定している。

控除前の基本給与額は雇用契約前に交渉が可能。基本給与からは社会保障、年金、障害保険および失業保険、企業年金(いわゆる第二の柱)などが差し引かれる。

手取り額は大体、基本給から13~20%を差し引いた金額になる。EU/EFTA以外の第三国出身者(Bタイプの労働許可証を保有)は所得税が直接差し引かれるため、手取りはさらに減る。

スイス労働組合他のサイトへ(SGB/USS)の給与計算シュミレーター他のサイトへ(独/仏語)を使えば、資格や職業分野に基づいたおおよその平均給与額がわかる。

UBS銀行が3年毎に発表している調査「物価と所得他のサイトへ(Price and Earnings)」では、平均的な給与の労働者がタブレットやビッグマックなどを買うのに何時間働かなければならないかなどといった、各国の給与と購買力を比較している。

給与から差し引かれるもの

給与から差し引かれる項目は以下の通り。

  • 老齢・遺族年金(AHV/AVS)、障害年金(IV/AI)、収入補償(EO/APG):収入の5.05%(上限額無し)
  • 失業保険:収入の1%(年間上限額12万6千フラン)
  • 企業年金:基本給の約7.5%:(被保険者の年齢と年金制度の種類により異なる)
  • 業務外障害・疾病保険:収入の0.7~3.4%(年間上限12万6000フラン、業種により異なる)

業務外障害・疾病保険を除き、雇用者は上記の保険料を被雇用者と分担する。

加入が義務付けられている医療保険の保険料は、給与から自動的に差し引かれない。このため各自で保険会社を選び、それぞれのプランに応じて保険料を支払う。保険料は、被保険者の年齢と居住地(州)によって異なる

雇用契約

法律で定められた雇用契約書の特定の形式はない。

多くの企業が一般労働契約書(General Labour Agreement/GLA)を利用している。これは企業と社員または労働組合との間の契約書を意味する。GLAは、雇用期間、試用期間、雇用終了、解雇予告の期間などを明記している。

  • 無期限の雇用契約は、雇用者または被雇用者のいずれかの意思で解除できる。ただし、双方が雇用解除の予告時期および予告通知日に関する規定を順守した場合に限る(次の項目を参照)。雇用関係の解除を希望する側は、相手方に対しその理由を書面で通知するよう義務付けられている。また、雇用者と被雇用者は双方の同意があれば雇用関係を随時解除することができる。
  • 雇用契約解除の予告:一般的に試用期間中は、7日前に予告通知をすれば双方とも雇用契約を解除できる。試用期間終了後の1年目は1カ月前、同2~9年目は2カ月前、同9年目以降は3カ月前に予告をすれば月末に契約を解除できる。こうした予告時期は雇用者によって異なるため、契約書をよく読んでおくこと。
  • スイスの法律では個人の性的指向、特定の政党や宗教、労働組合などへの所属、また疾病、妊娠、事故などによる休職など、特定の状況を理由とした解雇は不当解雇と見なされる。

雇用契約に関する詳細は、連邦政府の中小企業(KMU/PME)についてのサイト他のサイトへを参照。

労働時間と休暇

労働時間は法律で制限されている。工業関係の企業の事務員や専門職、および大型小売店の販売員などの法定労働時間の上限は週45時間。その他の業界の労働時間の上限は週50時間。

一般的に時間外労働には、規定就業時間内の労働賃金の125%が支払われるが、被雇用者の同意があれば有給休暇の形で補償されることもある。これは雇用者と被雇用者の間の話し合いで決める。

夜間労働、休日労働については、特別な補償を受ける権利がある。定期的な夜間労働の場合、賃金ではなく時間を1割増にした有給休暇による補償が労働法によって認められている(雇用関係の終了時は別)。

また、休暇と休憩を取る権利についても法律で保障されている。雇用者は全ての被雇用者と20歳未満の職業訓練生に、年間最低5週間、20歳以上の被雇用者と訓練生には4週間の休暇を与えるよう義務付けられている。勤務年数の多い被雇用者に対しては、有給休暇の最低日数は雇用者の裁量で法定基準以上に引き上げられることが多い。

その他の理由による休暇

  • 病欠:2日間以上連続で病欠した場合、一般的に雇用者に医者の診断書を提出しなければならない。また、病気のため本人の意思に反して働くことができない被雇用者に対して、雇用者は一定期間分の給与を支払うよう法律で定められている。また、病気の子供の看護休暇として最大3日間の休暇を与えるよう企業に義務付けている(医師の診断書が必要)。
  • そのほか「青少年休暇」と呼ばれる休暇がある。これは、青少年のためにボランティア活動をする30歳未満の被雇用者と訓練生に年間5日間の特別休暇を保証する制度。また、被雇用者の結婚、子供の誕生、近しい家族や友人の死亡、家の引っ越しなどにも有給休暇が認められている。
  • 産休:会社勤めの女性も、自営業の女性も産休を取る権利がある。配偶者の経営する会社で働いている女性についても同様。子供の誕生から14週間の間は、出産前の平均収入の8割を受け取れる。詳細は連邦経済省経済管轄局(SECO)のサイト他のサイトへへ。

パートタイム制

スイスでは勤務形態をパーセンテージで表現する。フルタイム(100%)の勤務時間は職種によって異なるが、週45~50時間まで。

90%の仕事は、フルタイムなら10日間の勤務日のところを9日働くという意味。50%は1週間に2日働き、次の週は3日働くというパターン。労働時間と休みをどのように分配するかは、雇用者と被雇用者の話し合いで決める。

100%のうちどれだけ働くか、その割合は特定の福利厚生にも適用される。例えば、有給休暇が4週間ある場合、50%で働く社員にも契約上では4週間の休暇が与えられるが、実質的な有給休暇は2週間となる。

swissinfo.ch

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