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若者から発信、反原発へ大きなうねり

(swissinfo.ch)

福島第一原発事故は、スイスにもショックを与え原発に対する議論を巻き起こした。特に若者たちの反響は大きく、反原発運動が盛り上がっている。

ベルンの連邦議事堂前の広場でも、福島と同型のミューレベルク原発運営会社「 BKWエネルギー ( BKW energy ) 」前でも、若者が集会や泊まり込みの反原発運動を展開。また、フェイスブックなどでこうした抗議運動を伝達する動きも新しい現象となっている。

スピーチの合間にダンスや歌

 スイスには原子力発電所が5カ所あり(それぞれ1基の原子炉を持つ)、消費電力の4割がこうした原発で作られている。福島の事故直後にドリス・ロイタルト環境・エネルギー相は、新しい原発建設計画に一時的停止 ( モラトリアム ) を発動した。

 しかし、反原発のうねりは大きくなる一方だ。4月6日にはおよそ1000人の若者を中心にした反原発集会がベルンの連邦議事堂前の広場で行われた。それは、大人が開催するものとは少し違う。急きょ作られたステージでは、学生や見習いの生徒たちがスピーチの合間にダンスや歌を披露するというリラックスしたものだ。

 15歳のアルバ・ペレさんは、新しい建設計画が進められているミューレベルク原発について

 「関係者は建設へと歩を進めているが、日本のフクシマを見る限り、原発建設は考えられない」

 と話す。

ペレさんと同様、ほかの若者にとっても原発はあまりに危険性が高い。

 「きちんと原発を分析すると、スイスのように高度に成長した国には、( それに代わるエネルギーがあるため ) 原発は必要ない」

 と27歳のタンジャさんは言う。

 「代替エネルギーで十分やっていけるという多くの技術的な情報があるのに、原発を維持しているのは、政治的な問題からだ」

 とタンジャさんのボーイフレンド、ロジャーさん ( 30歳  ) は付け加える。

 時計技師のリッシさんは福島原発事故が「社会にとっての目覚め」になったと考える。

「工業関係者は長い間原発に賛成だった。しかしフクシマによって、原発の存在そのものに再検討を始めた。これがチェルノブイリのときのように、一時的なもので終わらないよう願うばかりだ」

 反原発運動では、福島と同じ型の原子炉を持つミューレベルク原発を運営するBKWエネルギーのベルン本社前にテントを張った若者のグループもある。彼らは12張りのテントを持ち寄り、ミューレベルク原発が原発推進委員会のリストから姿を消すまで、泊まり込む覚悟だという。

福島は原発の存在を「再考」させる

 こうした動きに対し、1970年代の有名なシンガーソングライターで反核運動の主導者でもあったエルンシュト・ボーン氏はこう語る。

 「今の若者は、成長していく大きな動きを支える小グループを形成している。こうした個々の独立したグループが活発になることで、大きな一つのうねりになる」

 と話す。

 ボーン氏は、1975年にバーゼル近辺の原発建設予定地カイザーアウグスト ( Kaiseraugst ) を10週間占拠。1980年には建設を断念させたという経験を持つ。

 現在なお反原発運動を続ける61歳のボーン氏は、二つのグループの会長を務め、スイスで一番古いベツナウ ( Beznau ) 原発周辺で5月22日に行われる原発反対の大規模行進の企画を手伝ってもいる。

 ボーン氏にとって今の反原発運動は36年前と変わらない。高齢者、若者、左翼的な人、政治的色合いには関係なく反対する人、自分の土地を守りたい人などが参加しているからだ。しかし、当時と大きく異なる点が一つある。

 「それは太陽、風、土 ( 地熱  ) などの新しい再生可能エネルギーで電気は起こせるという点だ。1975年にはこれがなかった」

 と強調する。

とにかく福島は大きなインパクトを与えたとボーン氏は結論する。

「あまり原発について考えていなかった若者だけでなく、中道右派の政治家たちにも、フクシマは原発の存在を『再考』させる大きな契機になった」

原発に反対する青少年

原子力エネルギーに反対する青少年委員会は日本の福島第一原発事故後、14~21歳の8人の青少年によって創設された。

8人は政治に参加することで環境保護を目指す。また、反原発運動に備え、看板、横断幕、Tシャツ、チラシを制作した。

4月6日に行われたデモにはグリーンピース、社会民主党、緑の党やこれらの政策を支持する若者のグループも参加した。

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原子力発電所建設反対デモ

ミューレベルク ( Mühleberg ) 原子力発電所を経営する電力会社ベルン原子力発電所 ( BKW ) 本社前のヴィクトリア広場で原発反対を主張する若者たちがイグルーのテントを張り、キャンプを行っている。

ベルン市保安局長のレト・ナウゼ氏によると、安全を脅かさず、BKW側も緊急に措置を取る事態ではないと判断しているため、ヴィクトリア広場を所有するベルン市当局は、当面は様子を見るとしている。

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( 英語からの翻訳・編集 里信邦子 ), swissinfo.ch

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