スイスは、欧州連合(EU)が米国との貿易戦争の一環で課した鉄鋼関税をめぐり、欧州委員会と「建設的」に協議していると明らかにした。
このコンテンツが公開されたのは、
EUは7月、米国がEUから輸入する鉄鋼とアルミニウムに関税をかけたことへの対抗措置として、割当量を超えた鉄鋼輸入に25%の関税を課すと決めた。スイスからの輸入も対象となる。
スイスは、この決定がEUと1972年に結んだ自由貿易協定(FTA)に違反すると抗議。ブリュッセルで18日開かれたFTA合同委員会の臨時会議で、あらためて懸念を伝えた。
連邦政府は声明で「スイスは欧州委員会に対し、スイスを保護貿易の例外とするか、2国間貿易を阻害しないような措置を講じるべきだと要求している」と述べた。臨時会議では、EUの保護措置が両国間の貿易に与える影響を最小限に抑えることで一致したという。
ただ具体的な措置は決まっておらず、11月13日に予定される定例の合同委員会で再び協議する。
スイスの鉄鋼の輸入元の約98%はEUで、スイスからの輸出先の95%はEUだ。
続きを読む
おすすめの記事
貿易戦争 トランプ戦術は「短期的な政治ギャンブル」
このコンテンツが公開されたのは、
ドナルド・トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの追加関税導入を表明して以来、貿易戦争への緊張感は日増しに高まっている。スイスのジュネーブ国際開発高等研究所で通商政策を専門とするセドリック・デュポン教授は、長期的には米国にとって悪いニュースになると指摘する。
もっと読む 貿易戦争 トランプ戦術は「短期的な政治ギャンブル」
おすすめの記事
なぜWTOが必要なのか
このコンテンツが公開されたのは、
世界貿易が危機に瀕している。現状を「貿易戦争」と呼ぼうが呼ぶまいが、間違いなく火ぶたは切って落とされた。世界貿易機関(WTO)の関与だけでなく、行動が求められている。
もっと読む なぜWTOが必要なのか
おすすめの記事
スイスとEUの二国間枠組み交渉「合意の確率は五分五分」
このコンテンツが公開されたのは、
スイス経済専門の弁護士ジーン・ルソット氏は、年末にかけて行われるスイスと欧州連合(EU)の二国間枠組み条約が合意に至る確率は五分五分と見る。現在保留中のこの争点が解決すれば、スイスと欧州の株式市場の「対等性」といった厄介な対立も同時に収まるかもしれない。
もっと読む スイスとEUの二国間枠組み交渉「合意の確率は五分五分」
おすすめの記事
スイスメディア、日欧EPA署名受けスイス農業に警鐘 対米陣営への期待も
このコンテンツが公開されたのは、
日本と欧州連合(EU)が17日に経済連携協定(EPA)に署名し、スイスメディアは「スイスの輸出産業が苦しい立場に押しやられる」と報じた。特にスイス農産品が日本市場で商機を逸すると警鐘を鳴らす一方、米国発の貿易戦争への対抗力になるとの期待もにじませた。
もっと読む スイスメディア、日欧EPA署名受けスイス農業に警鐘 対米陣営への期待も
おすすめの記事
スイス、韓国ポスコに銀行口座の情報開示要求へ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス政府は26日、韓国の巨大汚職事件に関連し、韓国大手鉄鋼メーカー・ポスコに対してスイスにあるとされる秘密銀行口座の情報開示を求める手続きに着手した。韓国の捜査当局の要請を受けたものとみられる。
もっと読む スイス、韓国ポスコに銀行口座の情報開示要求へ
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。