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選挙広告 選挙ポスターにイモムシは不適切? 国民党に批判殺到


(UDC)

スイスの保守系右派・国民党の選挙ポスターが話題を呼んでいる。18日に公開されたポスターは、スイス国旗を付けたリンゴがイモムシに食い荒らされている画像だ。イモムシで同党が敵対するものを表現しようとしたものだが、党内からも疑問の声が上がっている。

ポスターは10月20日の投票日に約2カ月先だって公開された。5匹のイモムシは欧州連合(EU)の旗やライバル政党のイメージカラーをまとう。ドイツ語版には「左翼といいヤツがスイスをダメにする?」というスローガンが書かれている。

フランス語版のスローガンは「我々のリンゴにイモムシ?結構です!」と少し表現を和らげている。

「暗い時代を思い出させる」

ポスターの公開後、独語圏のソーシャルメディア上では激しい批判の嵐が巻き起こった。一部の人は画像が粗野で気味悪く、発想力を欠くと批判する。

またナチスのプロバガンダと「面白味のない」共通点があると指摘する人々もいる。ツイッターでは、1930年代に寄生虫やイモムシのたかるリンゴを描いてユダヤ人に人間性はないと触れ込んだ歴史を指摘する声が相次いだ。

「とても、とても暗い時代を思い出させる」。国民党の新ポスターのツイートにはこんなコメントがついた。「敵対するものを動物、あろうことか虫けらに例えるのは、ナチスのプロバガンダと同じ臭いがプンプンする」とのコメントもあった。

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▲「とても、とても暗い時代を思い出させる」とするツイート

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「素晴らしい、ナチと比較されて不思議じゃない?政治的な敵対者を動物、あろうことか虫けらのように描くのは、ナチのプロパガンダと同じ臭いがプンプンする。3マイル先でもわかるほど臭い!イモムシのやつはどこからきたのやら?」とするツイート

「まじめに相手する人いる?」

批判は他の政党からはもちろん、国民党内部からも上がっている。連邦・州議会の議員たちはポスターが「見苦しい」「やりすぎ」「逆効果」だと酷評する。国民党のクラウディオ・ザネッティ議員は「この画像には左翼もいいヤツもいない。いるのは根絶されるべき虫けらだ」だとツイートした。「この信じがたい画像から何を想像しますか?(国民党の)相手をまじめにしてくれる人がいますか?」

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▲クラウディオ・ザネッティ議員(国民党)のツイート

連邦議会のトーマス・フルター議員はニュースサイトのNau.chで、画像が「場違いで鈍感」だと語った。「純粋なる悪口」は「スイス流」にそぐわないとして、メッセージが不適切だと話した。

元シャフハウゼン州支部長のペンティ・エリク氏はアルベルト・レシュティ党首に直談判。「アルベルトさん、シャフハウゼンではこういったポスターをやめたから35%の議席を獲得できたのだ。超党派委員会や比例代表のことも考えて」とツイートした。

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▲ペンティ・エリク氏のツイート

フランス語圏のスイス公共放送テレビ(RTS)が取材した地元の国民党議員は、ピエール・グラン連邦議員を除いてさほど批判的ではないようだ。グラン氏だけはメッセージが「ちょっとショッキングだった」といい、選挙ポスターはできればポジティブな印象を与えるべきだと主張した。

「美しいスイスのリンゴがむしばまれる」

ドイツ語圏の日曜紙ターゲス・アンツァイガーが18日付の記事で、国民党のアルベルト・レシュティ党首はスイスが直面する脅威に焦点を当てたかったにすぎないとポスターを擁護した。特に「EUとの枠組条約」や「過剰な気候議論」を念頭に、「美しいスイスのリンゴがむしばまれている」と訴えた。

ベルン出身のヴェルナー・ザルツマン連邦議員は同記事で、批判はイモムシのイメージを誤解していると受け流した。描かれているのはイモムシではなく「自然の循環に属する生き物」だという。

国民党の選挙運動が物議を醸すのは今回が初めてではない。2007年には黒い羊の看板が人種差別的だと批判された。2009年にはイスラム教の尖塔ナレットに反対するポスターが国内各地で締め出しをくらった。

セーフかアウトか スイスの選挙運動、どんなことができる?

日本は参院選が4日公示された。スイスも今年は総選挙の年。日本の選挙運動は厳しい決まりがあるが、スイスでは極めて自由で、ほぼ何でもできる。

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(英語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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