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2018年11月25日の国民投票 国民投票キャンペーン 右派と左派があべこべ戦略

トロイの木馬

「国内法優先イニチアチブ」の反対派は、イニシアチブが「トロイの木馬」のような謀略だと批判している

(Peter Schneider / Keystone)

スイスの右派・国民党が国民投票のキャンペーンで繰り出す挑発的なポスターにスイス国民はもはや慣れっこだ。だが今回の「国内法優先イニシアチブ」では、無味乾燥でおとなしめなポスターが登場し、逆に有権者の目を引いている。

11月25日に予定される「国内法優先イニシアチブ」のキャンペーン活動はいつもと少し様子が違う。スイス国民党が立ち上げたこのイニシアチブ(国民発議)では、普段の挑発的なものとは打って変わって落ち着きのあるポスターが街角に掲示されている。

ドイツ語圏では「Ja」、フランス語圏では「Oui」、イタリア語圏では「Si」と黄色字で書かれたフラップを胸の前に掲げた男性や女性の写真がそれだ。黒い羊や過激なスローガン、強烈な写真はない。国民党のロゴすら見当たらない。

国民党の「国内法優位イニシアチブ」推進ポスター
(Anthony Anex / Keystone)

ローザンヌ大学の政治学者ゲオルグ・ルッツ氏は、こうした落ち着きのある表現に意外感を隠さない。「2016年2月の『外国人犯罪者の国外追放強化イニシアチブ』で敗北して以来、国民党は扇動的な写真やイラストは、自分たちの考えを表現し国民を動員するのに適していないと悟った。国民全員が賛同するテーマ、特に直接民主制を引き合いに出すことによって、こうしたキャンペーンで現代の中道に位置する有権者にの耳に到達する可能性がある届けることができる」と説明する。

イニチアチブの反対派は逆に、大々的なキャンペーンで国民党を迎え撃っている。強烈なシンボルで感情に訴えかけるものだ。

例えば市民社会同盟他のサイトへの反対キャンペーンでは、巨大な「トロイの木馬」が街なかにお目見え。イニシアチブが可決されればトロイア軍が連邦憲法に潜り込み、自分勝手で差別につながる扉が開いてしまうとふれ込んだ。120団体のNGOが加盟するこの同盟は、風刺ビデオも制作。ギリシャ神話の騎士に扮した国民党幹部が、トロイの木馬の中で反乱を企てるシーンを描いた。

(1)

NGOアムネスティー・インターナショナルのスイス支部他のサイトへも投票で反対票を投じるよう有権者に呼びかけている。国民党のイニシアチブを「反人権イニシアチブ」と皮肉り、シンボルに「スーパーマン」を引っ張り出した。

(2)

Video

反対キャンペーン「権利保護ファクター他のサイトへ」では、イニシアチブは欧州の「人権と基本的自由の保護のための条約」をぶち壊すと警告する。人権の大切さをアピールするため、スイスの人権を阻害し欧州人権裁判所で有罪判決を受けた人物をあげつらう写真展を開いた。

Bilderausstellung
(ZFG Allianz der Zivilgesellschaft)

左派・社会民主党他のサイトへは国内法優先イニチアチブの孤立主義を強調するため、米トランプ大統領やロシアのプーチン大統領、トルコのエルドガン首相の肖像を並べたポスターを作った。

トランプ、プーチン、エルドガンの並んだポスター
(Peter Schneider / Keystone)

経済団体は14年2月の「大量移民反対イニシアチブ」の反対キャンペーンで存在の薄さを批判された教訓を生かす。エコノミー・スイスはイニシアチブがスイスの結ぶ国際条約や経済関係を危うくしかねないとみる。連邦議事堂前広場に巨大な船舶用コンテナを積み上げ、「スイスからこれだけの量が10分間に輸出されている」という壮大なパフォーマンス他のサイトへを披露した。

Schiffscontainer auf dem Bundesplatz
(Lukas Lehmann / Keystone)

非建設的?

ルッツ氏によると、国内法優先イニシアチブの反対派は国民党がいつも通りの扇動的・攻撃的なスタイルのキャンペーンを張ってくると構えていたと見る。「外国人犯罪者の国外追放イニシアチブで、はっきりした直接的な反対キャンペーンであれば国民党を負かせることが分かった」

質素な国民党、盛大な反対派のキャンペーンは互いに効果を減殺し非建設的な結果になるのだろうか?ルッツ氏は「それを判断するにはまだ早い」と話した。

(独語からの翻訳・ムートゥ朋子)

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