バレエコンクールの舞台で成果を見せるには プロを夢見る15歳ダンサー ローザンヌ国際バレエコンクール体験談~藤本結香さん

準決勝で「ラ・バヤデール」を披露する藤本結香さん。2月3日撮影

準決勝で「ラ・バヤデール」を披露する藤本結香さん。2月3日撮影

(swissinfo.ch)

4歳からバレエを始めたという山口県出身の藤本結香(ゆいか)さんは15歳。2017年のローザンヌ国際バレエコンクールに初めて参加し、ベスト20に選ばれた。コンクールが終了して1カ月たった今、改めてコンクールの体験を聞いてみた

 藤本さんは、4歳年上の姉が通うバレエ教室に付いて行ったことがきっかけでバレエの世界に引き込まれた。「踊るということが当たり前で日常の一部となっているんです」と語る。「とにかく踊る時は夢中になれ、踊っていると嫌なことも何もかも忘れることができるほど。それが好きです」とにこやかな笑顔で話す。

 とはいえ、「何かを変えようと思ってもすぐにできない。そういった時は、バレエをやめようと思ったこともあります。すぐに結果が出ないときは本当に辛かったです。でも、やっていて楽しいと思うことがバレエを続けることになりました」と言う。

 そんな藤本さんは今年のローザンヌ国際バレエコンクールで、338人から72人が選抜されたビデオ審査に合格し、20人に絞られた準決勝を通過した。「入賞は果たせず悔しかったけれど、ローザンヌの舞台に立てたことがこれからの経験につながるコンクールでした」と振り返る。

審査員の目を引くような踊りを心がけ

 コンクール中のクラスレッスンでは「心から楽しんで踊った」という藤本さん。「他の出場者に比べると、小柄なので…」と外見を気にする藤本さんが選抜されるよう今回心がけたことは、審査員の目を引くように踊ることだった。

 多くの指導者から、これまでとは違うアドバイスを受けたこともあった。例えば、5番のポジションで立ち、身体を前に倒しながら覗き込む体勢を取るという動きに連動させて「顔を付けるように」との指導を受けた時。「日本でこれまでそんな顔の付け方をしたことはないなぁと思いながらも、自分が対応できるのだという姿勢を見せたいと思ったので大げさにやって見ました」と説明し、表現力の柔軟性を大胆にアピールしたという。

 「審査員の方々の目に留まるように、私はこうやりたいですと言う意志が見えるようように体を動かしてました」

いろいろな国のダンサーと出会いレベルの高さに驚く

 「ずっと夢だった舞台で踊ることになり嬉しかった」と語る藤本さん。ローザンヌでは、「いろんな国の出場者のレベルの高さに驚きました」と感想を述べる。

 世界36カ国からの参加者が集まったローザンヌのコンクール。決勝前には、審査委員長のケヴィン・オヘア氏から「今年は特に15~16歳のレベルが高い」との評価があった。

 様々な言語が飛び交うクラスレッスンでは、踊りに磨きをかけ、その場をきっかけにいろんなダンサーと出会うこともできた。藤本さんは、コンクールが終わっても、決勝で踊った「ラ・バヤデール」のレッスンを共にしたダンサーとは帰国しても連絡を取り合っているという。

もう一度バレエの基礎を

 昨年の夏、モナコのプリンセス・グレース・アカデミーを2週間見学したとき、少人数で指導が受けられる学校の体制に惹かれた。「みっちり見て欲しいから」という理由で、ローザンヌのコンクールに入賞したら1年間ここで研修したいとの希望を決勝直前に述べていた。

 今回のコンクールで惜しくも賞を逃した藤本さんだが、コンクール終了後に同校からオファーがあり、今月中学を卒業したら、今秋9月から4年間、希望どおりここに研修留学することが決まった。「もう一度バレエの基礎をしっかりと学び、精神的にも強くなりたい」と、心を弾ませて話す。

 「いろんな踊りを踊れるようになりたいです。今まで、明るい感じの曲しか踊ったことがないのですが、モナコに行ったらいろんな役柄に対応できるような表現の仕方を学びたいです」


ニュースレターにご登録いただいた方に毎週、トップ記事を無料で配信しています。こちらからご登録ください。

×