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もぐもぐスイス味 第3弾 その3 ― モモヨ隊員とワインバーで乾杯 ―

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町を歩いていて、まるでそこに吸い込まれるかのように惹 ( ひ ) かれ、知らないうちにその店のドアに手をかけていたという経験がないだろうか。

イタリア語圏ルガーノ ( Lugano ) のビア・マガッテイ通りにある小さなワインバー「ボッテゴーネ・デル・ビーノ」がそうした店だ。モモヨ隊員と、きっとティチーノのおいしいワインが飲めるのではないかと、期待に胸を膨らませ中に入った。

 入り口の前に1本の木が生えており、その木陰にテーブルが5~6個置いてある。その木の有様なのか、店の入り口の外装に魅力があるのか、今もってなぜこれほどこの小さな店が目を引くのか理由が分からない。しかしそれはモグモグ隊だけではないらしい。昼食時には、毎日のように店の外まで客の列ができるという。

半端な時間に静かにワイン

 中は親しみがもてるほどよい広さで、左手の棚にはずらりとワインが並ぶ。その棚に沿って15~6人は座れそうな長い古いテーブルがあり、昼時はこのテーブルにぎっしりと人が座り、ワイワイガヤガヤやるらしい。 

 昼のメニューは温かいものばかりで、前菜、パスタ、肉などのメイン料理が1品ずつの計3品のみ。夜はこれにもう1品加わる。これらは毎日替わり、黒板にチョークで書き込まれる。そのほかにサラダなどもある。日替わりメニューを1品だけ頼んでワインで一杯とか、サラダを余分に頼むとか注文は自由自在。 

 モグモグ隊は、昼下がりに到着したので温かいものは頼めず、ブルスケッタとサラダで、お目当てのワインをじっくり楽しもうということになった。ワインは、「地元のティチーノ産の赤ワインがほとんど。あとはスイスの他州やイタリアのものなどを置いています」 
 と店長。ティチーノ州の13のワイン生産者から取り寄せ、全部で約200種類のワインを収集しているという。 

 ついでもらったのは、「バヨッコ( Baicco )」という名のティチーノの赤ワイン。透明感のある深紅で、こくのある味わい。午後3時半という、ひどく中途半端な時間にワインを静かに飲めるのも旅の醍醐味といえようか、などと語り合いながらモモヨ隊員と乾杯した。 

・・・でモモヨ隊員は

 「居心地いいですねえ、隊長。仲良し男女がですね、ここで見詰めあったりですね、取分けてあげたりなんかもね、するわけです。愛なんか急速に深まっちゃうわけです。いや、たとえばの話です」 

 「1人ふらっと来てもいい感じね。あら、このワイン、タンニンが効いていておいしいわ」  
 隊長は、早速同じワインを1本、お土産用に包んでもらっている。 

 頼んだサラダは 真中の焼チーズの上にオリーブオイルをタラーリかけただけの一品。究極のシンプルさなのに、その美味しさよ。ラルドのブルスケッタも渋めワインと相性抜群。

居酒屋みたいにカジュアルで
人がいなくても心地よし
木のテーブルあったかく
つくづく語るは愛や冗談
おつまみ、お酒の出会いよく
初めてきても常連さん
いとうれしきかな、旅の友
 
 今度は、満員だというお昼に是非来てみたいもの。絶対においしそうですよね、隊長。

swissinfo、里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) & モモヨ

ボッテゴーネ・デル・ビーノ ( Bottegone del vino)

住所 :  3, Via Magatti, 6900 Lugano
電話 :  +41 91 922 76 89
予約 :  要予約
時間 : 月~土曜日、12~22時まで営業。ただし、温かい日替わりメニューは、12~14時、19~22時のみ。
メニュー :  ブルスケッタ12フラン ( 約1200円 ) 、サラダ18フラン( 約1800円 ) 、ワインはボトルからついでもらって1杯8フラン ( 約800円 )
予算 : 2人で50フラン ( 約5000円 )

行き方 : ルガーノ( Lugano ) 駅からホテル「フェデラーレ( Federale ) 」を右手に見ながら下り、ダンテ広場まで行く。そこから左手の大通り「ビア・プレトリオ ( Via Pretorio ) 」を右に湖側に曲がったところ。駅から徒歩15分

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