スイスの視点を10言語で

「ベリンツォーナに本物を」日本から飛騨古川祭を招待、長年の願い叶う

ティチーノ州ベリンツォーナで披露された飛騨古川祭の浦安の舞
ベリンツォーナで披露された「浦安の舞」。2018年4月14日撮影 ©Matteo Aroldi Photography - matteoaroldi.com -

スイス南部ティチーノ州ベリンツォーナで14、15日の2日間、日本の文化を紹介する「ジャパン祭(Japan Matsuri)」が開かれ、スイスや隣国イタリアなど欧州各地から過去最高の約9千人が来場した。14日には、400年の歴史を持つ岐阜県飛騨市の「古川祭」を日本から初めて招待し、巫女の衣装を着た女性たちが優雅な舞を披露した。

 古川祭外部リンクは岐阜県飛騨市古川町の気多若宮神社の例祭で、祭りの「起し太鼓・屋台行事」は国の重要無形民俗文化財に指定外部リンク、並びにユネスコ無形文化遺産に登録されている。ジャパン祭外部リンクでは「獅子舞」と二人の巫女による「浦安の舞」を披露。古川祭の映像もプロジェクターで流した。主催者代表のシェイラ・ムッジャスカさんは、本物の日本の祭りを呼ぶ長年の夢が叶ったと喜び、「圧巻のパフォーマンスだった。今回は祭りの一部だけしか紹介できなかったが、今度は祭り全体を招待できれば」と話した。

 開催期間中、舞台では世界で毎年250以上の公演を行う「寶船(宝船)」の阿波踊りや、太鼓演奏、コスプレコンテストなどのステージが観客を魅了。指圧や日本犬を紹介するブースもあった。また、イタリア語圏の日本人会と日本文化交流会でつくる「カメリア会」と共同で、茶道や弁当作りの実演のほか、来場者が折り紙、書道を学ぶワークショップも開かれた。すしやたこ焼き、甘味などの日本食を堪能できる「ストリートフード」コーナーは特ににぎわったという。

 ジャパン祭りは「ジャパン祭協会(Japan Matsuri Association)」が主催。毎年4月に開いており、今年で7回目。2011年3月の東日本大震災後、日本に興味関心を持つ青年有志が立ち上げた。さまざまな日本の文化をPRし、日本と世界の国・文化との交流促進を目指す。同祭はあしなが育英会の活動「東北レインボーハウス外部リンク」を通じ、幅広い年齢の震災津波遺児を支援している。

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部