スイスのアラン・ベルセ連邦大統領は30日にルツェルンで開かれたシンポジウム「ヨーロッパ・フォーラム外部リンク」で、スイスと欧州連合(EU)はいずれも安定した二国間関係を構築することに関心を持っており、今こそ関係を新たなレベルに高めるときだと述べた。
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EUとの間で締結した120件の二国間協定については「経済的、政治的利益の間で良いバランスが取れている」と評価。今後、こうした協定をさらに発展させていくことが重要だとした。
ベルセ大統領は、スイス国民がEUに懐疑的なのは強い国民意識などが背景にあると説明。「EUに懐疑的なのは私たちが欧州人であるからこそ。だが、間違っても反EUではない」と付け加えた。その状況を打開する唯一の道は、確かな実用主義に則り国益をはっきりさせることだと述べた。
最大の貿易相手国であるEUとの関係はスイスで2014年、外国人労働者の受け入れを制限するイニシアチブが可決されたのを機に悪化。ただベルセ大統領は「スイスとEUはいずれ解決策を見出す」と強調した。EUとのさらなる二国間協定や枠組み条約交渉を巡り、スイス連邦政府は数カ月以内にも方針を公表する見通しだ。
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