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スイスの銀行、業績立ち直り   先行きは慎重

スイスの銀行業界にも明るい兆しが見え始めたと語るスイス銀行協会ミラボー会長。 Keystone Archive

スイスの銀行業界にようやく明るさが戻ってきた。

スイス銀行協会のピエール・ミラボー会長は15日の記者会見で「人員削減の効果もあり、3年に渡る長いトンネルをようやく抜け出した」と述べ、業界の業績が改善しているとの見解を示した。

ただ同会長は、「原油価格の上昇に加え、不安定な中東情勢は景気の回復を妨げる恐れもある」とも語り、業界の今後の見通しについて慎重な見方は崩していない。

業績回復

 スイスの銀行業は、国内総生産(GDP)の約11%を占め、経済を引っ張る貢献度が全産業の中で一番高い。銀行業界の雇用者数はおよそ10万人だが、間接部門の雇用者数も入れると、その2倍の20万人ともいわれる。

 ミラボー会長は、上半期の着実な経済の回復力を背景に、業績が好転していると報告。また、下半期は原油価格の高騰など先行きに不安要因があると指摘した上で、「今年の業績は緩やかな改善になるだろう」と語った。

 また同会長は、スイスの銀行業界が他の欧州諸国に比べ、早くから不採算部門の縮小や人員削減などリストラ(事業の再構築)に取り組んできたことから、「現在の10万人の雇用規模は今後も維持できるだろう」と述べた。


 スイス国際放送  クリス・ルイス   安達聡子(あだちさとこ)意訳 

スイスの銀行業は、国内総生産(GDP)の約11%を占める。

銀行業界の雇用者数はおよそ10万人。間接部門の雇用者数も入れると、20万人に上るといわれる。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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