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スイス人ファシスト、アムドルツ裁判

ローザンヌ裁判所は、第2次大戦以来の大物スイス人ファシスト、ガストン=アルマンド・アムドルツ(79)の告発を拡大した。検察の要求通り、今月出版されたアムドルツの記事に対する告訴を追加した。

ローザンヌ裁判所は、第2次大戦以来の大物スイス人ファシスト、ガストン=アルマンド・アムドルツ(79)の告発を拡大した。検察の要求通り、今月出版されたアムドルツの記事に対する告訴を追加した。

ガストン=アルマンド・アムドルツは、スイスのナチズム信望ファシスト・グループのスポークスマンで、5年前に書いたホロコーストの否定、特にナチ絶滅収容所のガス室を否定する記事で告訴されていた。また、彼が発行する月刊ニュースレターでは、ホロコーストは作り話だと主張する修正主義論の文献を推薦していた。

アムドルツを告訴していたのは、スイス・ユダヤ人協会、国際人種差別反対同盟、反・反ユダヤ主義団体、フランスの亡命ユダヤ人家族など多くの団体・組織だ。評決は4月10日に下されるが、有罪なら懲役3年と4万スイスフランの罰金が科せられる。

アムドルツは、第2次大戦末期からナチ・イデオロギーの積極的な奨励者だった。スイスの極右グループ設立に尽力し、元ナチ党員を含む他の欧州諸国の極右団体と協力してきた。基本政策は非ヨーロッパ人分離、異人種間婚姻と避妊の規制だ。アムドルツの活動は狭い範囲に限定されたものだったが、連邦警察当局は第2次大戦以来彼に関する記録を保管しており、大戦中はベルンのナチ政権代表と密接な関係にあった疑いがあると言う。

1980年代半ばになってから、スイスの極右団体は反人種差別法導入計画に公に反対を表明するようになった。アムドルツは、1989年ルツェルンで行われた反人種差別法反対デモンストレーションでの演説者の一人だった。当時彼は過激な発言で有名な人民党のクリストファー・ブロッヒャー議員率いる右派団体の一員だった。

1995年、国民投票により反人種差別法が裁定され、ホロコースト等大量虐殺行為を否定することも違法であると定められた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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