スイス企業、2004年の業績に明暗 UBS調査
スイス企業の業績二極化が鮮明になっている。
スイスの総合金融グループUBSが主要企業による2004年の決算を集計したところ、製薬や機械など輸出産業を中心に収益は大幅に改善。
一方、国内市場を中心とする建設や小売りなどは売り上げ減で業績低迷が続いた。原油価格の上昇に加え、欧州域内の景気に足踏み感が出てきているものの、輸出産業は業績の先行きに楽観的な見方を示しており、業績二極化は今年も続きそうだ。
業績見通し
UBSが実施した調査の集計対象は上場企業を中心とする27業種4,500社。
調査の結果、スイスの輸出産業を代表する時計や機械、製薬業界では2004年の業績が当初予想より大幅に上回った。半面、建設や小売業界などは国内需要の低迷で業績不振が続き、人員削減などのリストラが業績回復には結びつかなかった。
スイス連邦経済省によると、2004年の実質成長率は1.8%を達成する見込み。だが、2%とする2005年の成長率予測は欧州域内の景気減速を背景に下方修正される可能性が高いという。
UBSは2005年の企業業績見通しについて、「前年を上回るペースは期待できないものの、輸出産業は引き続き好調」と見ている。好調な業種として具体的には、時計、製薬、保険業界を挙げた。
一方、建設業をはじめとする国内産業は低迷する国内需要を背景に、引き続き業績不振が続くと予想している。
swissinfo 安達聡子(あだちさとこ)意訳
スイスの成長率:
連邦経済省によると、2004年の実質成長率は1.8%を達成する見込み。
だが、2%とする2005年の成長率予測は欧州域内の景気減速を背景に下方修正される可能性が高い。
JTI基準に準拠
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。