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スイス各紙、サミット批判

記念撮影に応じるG8首脳。7月22日 Keystone

イタリア・ジェノバで開催されていた先進主要国首脳会議(サミット)が22日閉幕した。グローバリゼーションに抗議するデモ隊と警官隊との衝突で死者まで出したサミットをスイス各紙は「サミットの狂気」と非難した。

大衆紙「ブリック」の日曜版「ゾンターグ・ブリック」は、死者1人、負傷者500人以上を出し、開催地を破壊し5、000万スイスフランもの損額を出す先進主要国7ヶ国プラス・ロシアのG8首脳の集まりは、「高すぎる」と非難した。サミット最終日の22日、イタリア警察は少なくとも8人のスイス国民を含む220人以上のデモ参加者を逮捕したと発表した。

仏語紙「dimannche.ch」は、「ジェノバ・サミットはG8の最期の儀式」と表現し、「サミット参加国政府は虚飾と儀式色を減らしより有効的に、かつ外部の人々の意思を尊重しながら対話することを学ばなければならない。エンドレスで陳腐な言葉に終始するG8クラブは、豊かな国も貧しい国も平等に全ての国が発言できる他の国際機関から注意をそらす役割を果たしているだけだ。」と決めつけた。

また、独語紙「ゾンターグ・ツァイトゥン」は、19日の反グローバリゼーション・デモ隊と警官隊との衝突で警官隊に射殺された23才のイタリア人NGOメンバーの男性の死に焦点をしぼり、「ジェノバ・サミットは、この種のサミットとしては最後のサミットになるだろう。もしサミットに出席する首脳達が街頭に出て来るならば、グローバリゼーションの裏の面である娼婦、麻薬ディーラーなどの社会の不正をいたる所で見ることになるだろう。」と論じた。

22日のG8首脳宣言では、貧困国の世界経済へのアクセスの重要性を示した。「我々は、グローバリゼーションが世界の最貧層に利益をもたらすように決意した。最貧国を世界経済へ招き入れることは、彼等自身の願望を叶えることになる。」とした。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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