スイス経済 1975年以来の後退
連邦工科大学チューリヒ校の景気調査機関は6月9日、今年の景気予想を下方修正し、マイナス3.3%になると発表した。さらに来年2010年も0.6%後退すると予想している。
スイス経済は今年年初に著しい景気の低下を記録して以来、今四半期には1975年以来の大きな景気後退が続いている。
回復は2010年末
暗い見通しは失業率に関しても変わらず、景気調査機関 ( KOF ) は今年の平均失業率を3.9%、また来年は5.8%まで上昇すると予想している。
この景気後退の導火線となったのは輸出の落ち込みで、今年全体で13%のマイナスが見込まれている。わずかな上昇が予想されるのは、今年の末になってからだ。
一方、個人消費は今年0.2%と小幅ながらも成長、しかし2010年には0.4%のマイナス成長になるとの予想だ。スイスの個人の需要は、他国よりも抵抗力が強いことが示されている。
スイスでは景気後退が比較的遅く始まったが、景気調査機関の予想によると、この景気後退は近隣諸国よりも長く続き、底打ちは2010年の末頃だという。
時計産業に打撃
同じく9日、ヌーシャテル州ル・ロックル(Le Locle)にある時計製造会社「ゼニス(Zenith)」は、従業員の3分の1に当たる70人を解雇すると発表した。同社は今年1月にもすでに24人を解雇している。ゼニスは6月1日から高級ブランドの「LVMH」の傘下に入り、経営責任者および評議会長が代わったばかりだ。
また、貴金属加工の「メタロール(Metalor)」もスイスの従業員457人のうち50人を解雇すると発表。対象はすべて時計部門の社員で、会社側は時計・宝飾市場における需要の落ち込みをその理由として挙げている。
swissinfo.ch、外電
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