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スイス・レ、米同時多発テロの保障判定を米司法に委ねる

世界貿易センタービル跡、9月24日。 Keystone Archive

米同時多発テロで崩壊した世界貿易センターのツイン・タワーは、1つの災害に対する1つの保険で保障するか、それとも2棟別々に解釈し2つの災害に対する2つの保障を適用するべきか。再保険のスイス・レは22日、米司法当局に判断を委ねた。

世界貿易センターの賃貸権保有者の1人ラリー・シルバーシュタイン氏は、世界貿易センターは、それぞれの棟が別々のハイジャック機に激突された別個の災害であり、2つの保険で1件35億ドル、合計70億ドルの保障額が支払われるべきだと主張している。シルバーシュタイン氏が経営するシルバーシュタイン不動産と、ウェストフィールド・アメリカ社は、今年7月に世界貿易センタービルを32億ドルで購入したばかりだった。

これに対し、資産損失の22%を保障する世界ランキング2位の再保険会社、スイス・レは、保険金支払を何とか35億ドルまでにおさめたい。裁判所への提出書類でスイス・レは、世界貿易センタービルへのテロは1件の事件で1つの保険・保障を適用するのが適当で、シルバ−シュタイン氏が報道機関に対して主張するように個別または多様な保障を適用するものではないとしている。スイス・レは先月、世界貿易センターの保障額は推定20億ドルで、同社の昨年の純益の3分の2にのぼるとの試算を発表している。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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