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ダボスの雪崩、司法上の論議に発展

3人の犠牲者を出したダボス近くの月曜の雪崩の後、事故責任を法的に追求する動きが出ている。また、雪崩防止のために、スキーヤー、スノーボーダーの免許制度の提案も出て来た。

3人の犠牲者を出したダボス近くの月曜の雪崩の後、事故責任を法的に追求する動きが出ている。また、雪崩防止のために、スキーヤー、スノーボーダーの免許制度の提案も出て来た。

先週の豪雪の後、アルプス各地では雪崩の危険性が高くなっている。ダボスの事故の他に、イタリアやオーストリア側でも犠牲者が出ている。そのうちの何件かは、スキーヤーが管理区域から外れて危険な冒険をしようとした結果、雪崩が引き起こされた。このため、事故の法的な責任者は誰かという問題が出て来た。また、スキーヤーやスノーボーダーの無責任な行動を減らすため、自動車運転のような免許を義務付けたらどうかという、提案も出されている。

ダボスのスイス連邦雪・雪崩研究所のパウル・フェン博士は、最近の雪崩は、古い雪板の上に新雪が積もり、表面が不安定になった時に起きている。スキーヤーが管理区域からはずれ、危険区域に入った時、この不安定な基盤が崩れ、雪崩が起きる。

基本的な指示は、表示された管理区域を離れない事だ。しかし、ベルナー・オーバーラントでは、安全区域とされていたスキー場内で雪崩が起き、子供用リフトをかろうじて巻き込まなかったケースも起きている。管理区域は、本当に安全なのだろうか。博士は、雪山に絶対安全な場所など存在しないと言う。が、過去20から30年の管理区域内での事故率は、極めて低いと言っている。

スイス人は「管理統制された人々といった」一般的なイメージがあるらしい。とこらが、実際のスイス人は、管理、規制、大嫌い、規則を守るのも大嫌い。スキーヤー、スノーボーダーにライセンス・システムを導入しようという論議は、この国民的バックグラウンドに反する。ライセンス提案者らは、スロープは道路同様混んでおり、免許制度は安全のための基本行動の理解を促進する事にはり、事故のリスクを減少できると、主張している。

が、アクロバット・スキーの父とわれる、アルト・フュレル氏は、スキーヤー、スノーボーダーに「教育」が必要だという意見には同意しているが、公式免許制度には反対意見だ。また、無責任な行動により、事故を起こした者には、法的措置を取るべきだとしている。ダボスの検察当局も、フュレル氏と同意見で、今回の事故の法的責任者を追求する構えだ。

同様な論議は、スイスの他の地域でも持ち上がっている。しかし、専門家らは、管理区域を離れず、各地方当局の指示に従っていれば、雪崩を引き起こすような事はまずないのだと主張している。それだけの事が、なぜ法規制されなければできないのだろうか?

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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