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バーゼル南部に活断層

1356年バーゼルで大地震が発生、半径200kmの地域が被災した。スイスとフランスの大学の合同研究チームは、バーゼル南部ユラ山脈近郊に約8kmにわたる活断層の存在を確認した。研究班によると、早急に同クラス(推定M6.5)の地震の起きる可能性は少ないというのだが。

連邦工科大学(ETH)チューリッヒ、バーゼル大学、ストラスブール大学(仏)の合同研究チームは、バーゼル南部で活断層を確認した。ユラ山脈近郊に端を発する活断層は、北東方向にライン川に向かって伸び、Birs谷を横切りバーゼル市の南端に到達する。この断層の活動により、過去8500年間で3度の大地震が起こり、地表が1.8m隆起したという。現在この地域には原子力産業、化学薬品産業が集中しており、地震が発生したら大きな被害が予測される。政府機関および保険会社の試算によると、1356年と同規模の地震が起きた場合、被害総額は800億スイスフランにのぼる。

ETH教授でスイス地震研究所のディレクターでもあるドミニコ・ギャルディーニ教授は、「この活断層による地震は8500年に3回という周期で発生している。そこから計算すると、次の大地震は今後1000年から1500年の間に発生する可能性が強い。」という。が、ムスタファ・メグラウィ・ストラスブール大教授は、「地震の周期は大まかな予測にすぎない。活断層の活動は一定の期間に活発になり、全く活動しない期間もある。」と、極度の楽観視を戒める。

独、仏国境の町バーゼルでの1356年の大震災発生時には、震源地付近では30から40の中世の城が倒壊し、半径200kmにわたる範囲で教会や塔などが倒壊した。この時の地震の推定マグニチュードは6.5だ。今もしバーゼルで同クラスの十進が派生したら、近隣の状況、土壌、築年数にもよるが建物の4%は倒壊するだろうという。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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