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リビアのスイス人に新たな希望

2008年7月からリビアに拘束されているラヒド・ハムダニ氏 ( 左 ) とマックス・ゲルディ氏 Keystone

1年半前からリビアに拘束されている2人のスイス人に新たな希望が生まれた。ラヒド・ハムダニ氏は1月31日、違法な経済活動を行ったという疑いで訴えられていた裁判で無罪判決を受けた。

もう1人のマックス・ゲルディ氏も現在、低額の罰金を課されるだけにとどまっている。
 

11日に違法滞在に対する判決

 人権保護団体「アムネスティ・インターナショナル ( Amnesty International ) 」および連邦外務省 ( EDA/DFAE ) は、リビアの首都トリポリからのこれらの情報が事実であることを認めた。だが、連邦外務省は判決についての言及を避けている。

 2人の弁護士を務めるサラー・ザハフ氏は、リビアの検察局が上告する可能性があることを示唆しながらも
「『法律に従えば』、少なくともハムダニ氏はリビアを出国できる」
 と強調した。ハムダニ氏は、問われていたすべての罪に対して無罪を言い渡されたからだ。ハムダニ氏はすでに1月末、リビア違法滞在の疑いに対して無罪判決を受けている。

 アムネスティ・インターナショナルで広報を担当するダニエル・グラフ氏は
「リビア当局は即座に、出国ビザとともにパスポートをハムダニ氏に返却してもらいたい」
 と語り、ハムダニ氏はまもなく出国できるものと期待している。

 一方、マックス・ゲルディ氏の違法滞在に関する上訴審の判決はまだ出ておらず、判決は11日に予定されている。第一審では、ハムダニ氏と同様、16カ月間の禁固刑が言い渡されていたが、6日の公判では違法な経済活動を行ったという理由でおよそ860フラン ( 約7万円 ) の罰金で決着した。

 関係者はこれを軽い判決と受け止め
「リビアはスイスとの間の緊張した関係を和らげる路線を続行している。これらの判決で、リビアは2008年に始まった争いにそろそろ終止符を打とうという政治的メッセージをスイスに送っている」
 とみている。

 ハムダニ氏とゲルディ氏の2人は2008年7月19日にトリポリで身柄を拘束された。スイスはこれをジュネーブ当局の対応に対する反発だと受け止めた。同局はその4日前、使用人2人に対して暴力を振るった疑いで、リビアの最高指導者ムアンマル・カダフィ大佐の息子ハニバル・カダフィ氏とその妻の身柄を一時拘束した。その後、スイスとリビアの関係が悪化した。

swissinfo.ch、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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