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世界禁煙デー

5月31日は、世界禁煙デーだ。連邦保健局の統計によると、スイスでは年間約8、000人が、喫煙による病気で死んでいる。

5月31日は、世界禁煙デーだ。連邦保健局の統計によると、スイスでは年間約8、000人が、喫煙による病気で死んでいる。

スイスでは、若年層の喫煙者の増加が著しい。1992年から1997年の5年間で、15才から24才の喫煙者は40%増加、また、この年代の女性の喫煙者は58%増加した。さらに、同年間の15才から19才の喫煙者は78%増、特に女性は117%増と、最悪な記録が出た。

スイス煙害予防協会のヴェレナ・エル=フェーリさんは、禁煙キャンペーンは、長期的には効果が上がっていると言う。「1955年には、スイスの男性の70%は喫煙者だったが、今は38%に減少した。また嫌煙コーナーに対する人々の意識も、10年前とくらべると、ずっと高くなっている。」

が、若者の喫煙問題に関しては、たばこの害に関する情報が十分ではないとし「若者がたばこを吸いはじめないよう、指導していく必要がある。学校や若者の集まる場所での、嫌煙プログラムが必要だ。また、たばこの広告を抑制し、たばこの価格を引き上げるよう、運動していく必要がある。」と述べた。

が、スイスのたばこ産業界は広告上手な上、ターゲットを若年層にしぼっている。エル=フェーリさんによると、20年前、あるスイスたばこのターゲットは、25才から35才の男性だった。が、今、同じブランドのターゲットは、24才以下の若者になっている。

今年の世界禁煙デーのスローガンは、「たばこは人を殺す。だまされるな。」で、目標は、たばこの広告・宣伝禁止を求める運動を世界で始めることだ。そのためには、資金が必要だと、エル=フェーリさんは言う。「我々は、たばこ産業界とくらべて、資金が足りなすぎる。」と訴える。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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