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世界経済フォーラム、年次総会開幕する

世界経済フォーラム年次総会、ダボスで開幕 Keystone

1月23日から28日まで東スイスの保養地ダボスで世界の政財界トップが集まり地球規模の経済、政治問題を討論する。

今年の目玉参加者はパウエル米国務長官とクリントン前大統領。日本からは竹中平蔵経済財務・金融担当相や日産自動車のゴーン社長が参加する。

ダボス会議とは

スイスの公益団体世界経済フォーラム(World Economic Forum)が主催する民間の国際シンポジウムで毎年1月下旬にスイス東部のスキーリゾート地ダボスで開かれる。WEF創設者のシュワブ・ジュネーブ大学教授の出身地で1971年から続いているが、昨年は「テロとの戦いへの連帯」のために例外的にニューヨークで開催した。

今年のテーマ

毎年、テーマに沿って様々なパネルディスカッションが行われるが今年は「信頼の構築」。緊迫するイラク情勢、北朝鮮の核問題危機、世界経済不振やイスラム世界と西洋の亀裂などが討議される予定だ。創設者のシュワブ博士は地元スイス紙に「これほど世界中の企業人が将来に対して悲観的なのを見たことがない」と嘆き、今年の総会の成り行きの不安を垣間見せた。今年は1000人以上ものビジネスマンと250人ほどの政治家、250人余りのNGO団体や学識者も出席する。

過去のハイライト

最初は欧州経営フォーラムと称し、企業経営などをテーマとしたが87年にドイツ(当時西独)のゲンシャー外相の演説が冷戦終結の始まりを画すものと注目され、94年にはイスラエルのペレス外相(当時)とパレスチナ解放機構のアラファト議長の出会いがパレスチナ和平の仲介の発端になったり、南アのマンデラ前大統領が南アの企業家にスピーチしたりと国際政治にも影響を与えるようになった。96年からはグローバル問題を積極的に取り上げたため、先導役とみなされグローバル化に反対の団体から標的にされ、2000年には激しいデモに見舞われている。

反グローバル化デモの危惧

スイス政府はセキュリティーに130万フラン(約1億1千万円)の経費を掛け、反グローバルデモに備えている。また、会期中はダボス一帯の飛行機の上空飛行は硬く禁止されている。また、反グローバリゼーション運動家らがブラジルのポルトアレグレでこれに当てて、世界社会フォーラムを同時期に開催する。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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