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今年の経済成長率は予想を上回り2.7 % に

2011 年は、物とサービス部門の輸出が伸び悩むと予想されている Keystone

連邦経済省経済管轄局 が9月16日発表した報告書によると、2010年のスイスの経済成長率は予想を上回り2.7 % になるという。

しかし、来年2011年は1.6 % ~1.2 % に下がると予想し、主な原因をスイスフラン高による輸出の伸び悩みだと分析している。

輸出の減退

 連邦経済省経済管轄局 ( SECO ) の6月の予測では、経済成長率は1.8% だった。しかしそれを2.7 % に上方修正したのは、「2010年上半期の景気回復力が予想を上回って活発だったからだ」と説明する。

 この数値は、金融危機が始まる2年前の国内総生産 ( GDP ) 高に、2010年半ばにしてすでに到達したことを示し、経済協力開発機構 ( OECD ) 加盟国の大半の低迷とは対照をなすという。

 しかし、この成長が2011年も継続する見込みは薄く、特に2010年上半期のような景気は期待できず、1.6 ~1.2 % に下がると見られている。

 主な原因は、ここ数カ月間続いているフラン高で、これは来年も継続する可能性が高く、物とサービス部門の輸出が伸び悩むと予想されている。この2部門の2010年の成長率は7% だが、2011年は2.2% しか期待されていない。

 アメリカ、ヨーロッパへの輸出が減退すると同時に、新興国への輸出も緩慢になると見なされている。

世界経済の安定には時間がかかる

 一方、労働市場に関し連邦経済省経済管轄局は、2010年上半期の景気回復のお陰で、6月に予想した失業率を変えず、3.9% と提示している。2011年は僅かに少ない3.7% を見込んでいる。

 ところで、世界全体をグローバルに捉えた場合、景気回復はまだ遅く不安定で、 「世界経済が安定し、かつ持続的な成長に戻るには、かなりの時間がかかる」
 と連邦経済省経済管轄局の専門家は見ている。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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