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会議がイスラム敵視について協議

スイスの民族衣装にイスラム教徒のスカーフ。あるお祭りの1コマ Keystone

スペイン南部の町コルドバでは、10月9日から2日間に渡って欧州安全保障協力機構 ( OSCE ) の会議が開催されていた。議題は「イスラム敵視」だ。

会議に出席したスイス団の代表は、「この問題を克服するためにはイスラム教徒も政治生活や社会生活に関与すべき」と結論づけた。

強まるアンチイスラムの風

 同会議には60カ国の代表団と数多くの非政府組織 ( NGO ) が参加した。スイス代表団を率いたのは連邦外務省 ( EDA/DFAE ) のアントン・タールマン次官代理だ。

 会議では、イスラム教徒など、異教徒に対する不寛容が最近特に目立っていることが確認された。タールマン氏は、「スイスは知識の欠如や恐怖感からくる不寛容な行動に対して免疫がないが、これはスイスに限ったことではない」と語る。

このような反イスラム的な行動に対する具体的な対策としては、まず問題の存在と認めることが大切だ。そして、当局に協力するようイスラム共同体に呼びかけたり、適切な法律を作ることも欠かせない。また、マスコミには異文化や異宗教への理解を促進する役割を担って欲しいと話す。

 スイスに住むイスラム教徒の数は多すぎるかという質問に対し、タールマン氏は、問題は数ではなくどれだけスイスの社会に適応しているか、そしてスイスの憲法が保障している権利や自由を彼らがどんな形で要求するかということだと答えた。

swissinfo、外電

スイスではキリスト教徒の次にイスラム教徒が多数を占めている。

2000年に行われた国勢調査によると、スイスのイスラム人口は1990年から倍増した。今日ではおよそ34万人のイスラム教徒がスイスに住んでいる。

右派保守派の国民党 ( SVP/UDC ) は現在、ミナレット建設禁止を求めるキャンペーンを繰り広げている。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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