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再び鳥インフルエンザが発生

鳥インフルエンザの大流行に備えて連邦はマスクの常備を奨励している Keystone

ルツェルン州にあるゼンパッハ湖で、感染率の高い鳥インフルエンザウイルスH5N1型に感染しているホシハジロが1羽見つかった。

スイスでは「鳥インフルエンザ監視プログラム」の一環で水鳥の検査を行っている。感染が見つかったホシハジロに症状はまったく出ていない。

生きた鳥では初めて

 スイスに棲む、生きた鳥から鳥インフルエンザの病原体が見つかったのは今回が初めて。「ホシハジロはウイルスを保菌しているものの、発病には至っていない」
 と、連邦経済省獣医局 ( BVET/OVF ) 広報官は保証する。検査後、このホシハジロは再び湖に放たれた。

 これまでスイスでは合計33件の鳥インフルエンザが確認されている。これらはすべて、2006年2月末から3月末の間にジュネーブ湖およびボーデン湖で見つかった、すでに死亡している鳥から発見されたものだ。

まだ動物の疫病

 もともとは動物がかかる疫病だった鳥インフルエンザは、数年前にアジアで初めて動物から人間に移ったことで大きな波紋を広げた。研究者たちは、動物が感染するこのウイルスがいずれヒトからヒトへと感染するウイルスに変異するのか、また変異するとしたらいつなのかを解明しようと懸命だ。

 H5N1型は非常に感染しやすいウイルスで、急速に蔓延するインフルエンザだと考えられている。農業が盛んなアジアでは人々は家禽と密接な暮らしをしており、H5N1型に感染する危険性が高い。

 ヒトからヒトへ感染する変異ウイルスはまだ存在していないが、そのウイルスに確実に効くワクチンもまだ開発されていない。

 鳥インフルエンザウイルスは野生の水鳥の飛行ルートに沿って広がり、鳥を大量飼育しているところでは飼育鳥が全滅する可能性がある。そのため、獣医局は保護地域 ( 水域周辺 ) を定め、家禽農場に対して屋外飼育を禁止するなどの対策を取った。今のところ、2007年秋に施行されたこれらの対策以外に追加対策を取る予定はないとのことだ。

swissinfo、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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