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日本へスイス人観光客を誘致する

スイス人観光客を日本に誘致するスペシャリストを目指す。 swissinfo.ch

旅行会社の営業所長の山本美恵さんは、スイスに住む日本人女性にとって憧れのキャリアウーマンだ。日系企業で働く現地採用のしかも女性が責任ある仕事を任されることはまれだからだ。山本さんは、より多くのスイス人に日本を旅して欲しいと仕事を続けてきた。

 「米国の同時多発テロ事件以来、いままでアメリカへ行っていたスイス人がアジアに目を向けるようになった」スイスの日本旅行の最高のスペシャリストを目指す山本さんが率いる旅行会社の業績は、テロの影響が収まってから右肩上がり。「わたしがつまらない顔をしているとお客様も楽しいとは思わないでしょう」と良い仕事をすることは、「役得かもしれませんが、自分も楽しむこと」と語る。

 日本でも旅行関連の仕事をしていた山本さんは12年前、チューリヒに営業所が開設された当時からのスタッフとして、スイス人に向けた日本旅行の企画をし続けてきた。

 スイス人は非常に旅行好きで世界どこにでも出かけていく。日本に対する興味は、京都、奈良といった知られた名所のほかに、『ラスト・サムライ』といった映画や『千と千尋の神隠し』などのアニメからだったりするという。スイス人の日本に対する興味が多様で深いことから山本さんは最近、特にスイス人を対象とした日本旅行への誘致に手ごたえを感じている。

 「準備をしっかりして慎重に仕事をしていても、せっかく楽しみにしていた旅行なのに、不都合があったというクレームが来ることもあります。小さなことでお客さんに喜んでもらうのが一番嬉しいですね」と語る。たとえばスイスでは家族代々決まったプライベート銀行を利用することが多いが、そのように、家族代々の旅行をアレンジして世代の違うそれぞれの人に信用されるようになりたいという。

 来年には愛知万博という大きなイベントを控え、スイス人に万博とあわせて日本を楽しんでもらう企画作りに忙しい毎日だ。

スイス国際放送 聞き手 佐藤夕美 (さとうゆうみ)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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