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洞窟遭難事件でガイドとエージェンシーに批判集中

救出されるスイス人学生 Keystone

先週、瑞仏国境ドゥー川流域地方で洞窟ツァーのスイス人学帥Oループ8人が土石流のため洞窟に閉m桙゚られ72時間後に救出された事件で、ガイドとツァーを企画したエージェンシーに批判が集中している。300人を動員して救出にあたった仏警察・消防側は、悪天候の予報を無視したエージェントの無責任性と無計画性を強く非難している。

16日夜、仏Goumoisに発垂オた土石流で洞窟の入口を塞がれた8人(学垂V人、ガイド1人)は、運良く地下約80mのエアポケットに待避しているところを18日に発見された。が、雨が降り続く中、救助隊が洞窟内に入るための排出作業に時間がかかり、19日全員無事救出された。8人の救出のため、フランスは救急隊、警察、ダイバーら300人を動員し、72時間不休の救出劇が繰り広げられた。スイス洞窟調査協会のトーマス・アーベンツさんによると、この地域では雨天が続いておりドゥー川が増水している上に同夜も悪天候の予報が出ており、洞窟付近は土石流が起きやすい状況にあったが、グループは警告サインを無視してツァーを決行した。

仏洞窟探検緊急協会は、ツァーを企画したアルタミラ社を何の考翌烽ネく素人の趨スを危険にさらしたと、強く非難している。同協会の洞窟探検インストラクター、ピエール・カイロールさんは「アルタミラは人命に危険が及ぶ可能性を一切考翌ケず、利益のみを追求している。」と、厳しく批判する。スイスの「diamanche.ch」紙は、「洞窟探検グループのあまりにも無責任な行為のツケを払うために何百人もの救出隊が雨と泥の中を働き続けた」と、強い批判の言葉を並べた。また、同紙のインタビューで、地元警察のアラン・ゲーイン署長は「この地域は過去2ヵ月間ほとんど連日雨だ。アルタミラの誰もその事実を認識していないなどという事があるはずがない。」と答えた。ゲーイン署長によると、3月以降この地域では平年の4倍以上の降雨量を記録している。

これらの批判に対し、アルタミラのバレンティン・ヴォンダーミュール・ディレクターは、遭難の責任を否定している。独語紙「ゾンターグツァイトゥン」のインタビューに対し「事故はしばしば誰の責任でもないところで起きる。何が起こったのか判明していない段階で責任について語るのは早すぎる。」と答えた。また、洞窟ツァーのガイドだったジュディス・スタインレさん(31)は、「ノイエ・ルザーナーツァイトゥン」紙に、問題は洞窟そのものではなく、1夜だけ洞窟内で過ごす準備しかしていなかった7人の学崇Bだと答えた。そして、「我々は明らかに自然災害の犠牲者だ。我々に対する非難の洪水は、長年かけて築き上げたものに対する破壊に他ならない。」と自己弁護を展開した。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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