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第16回南北メディア祭始まる

開発問題をテーマにしたフィルムのフェスティバル、第16回南北メディア祭がジュネーブで始まった。今年は35ヶ国からの参加がある。

開発問題をテーマにしたフィルムのフェスティバル、第16回南北メディア祭がジュネーブで始まった。今年は35ヶ国からの参加がある。

1985年に創設されたジュネーブ国際テレビ賞は、公共放送、民放、独立系プロデューサーが制作した南北問題、開発問題を扱ったフィルムに授与される。メディア祭のアンネ・リスト・コーディネーターは、フィルムのメッセージの重要性、主題の扱い方、ジャーナリストのリサーチが本当に新しいものであるかが評価の対象となると語る。

南北メディア祭は、途上国の事象を公開し、各国のジャーナリストの意見交換をする場としての重要なフォーラムとなってきた。が、メディア祭が繊細なテーマに取り組んできたため、過去には出品者が自国の政府によって出席を妨害され、ジュネーブまで来られなかったこともある。

2000年の今年のテーマは20。セネガルの女性性器切除、リベリアの少年兵、ブラジルのストリート・チルドレン、パプア・ニューギニアの宗教伝道の影響など、途上国の若者を扱ったフィルムが目立つ。リストさんは「昨年の受賞作の多くが若い世代の問題に取り組んだものだったが、今年はそれをテーマにした。若い世代の問題こそは、未来の問題であるからだ。」と言い、若い世代の観客にアピールすることを期待している。ほとんどのフィルムの上演は無料で午後に予定されているため、学生が来場しやすくなっている。また、若者の政治参加とたばことの関わりについての討論会も予定されている。

また、今年からスイス国際放送(SRI)による途上国ラジオのためのスイス賞が創設された。途上国ではテレビや新聞よりもラジオの影響力が大きい。途上国のラジオ制作局に、質の高い報道番組を制作するよう奨励したいというのがSRIの賞の主旨だ。

他に最優秀仏語報道に授与されるプリックス・ド ラ・フランコフォニー、開発の人間的な側面に焦点をあてた作品のためのピエール=アラン・ドニー賞などがあり、最終日の4月14日に授賞式が行われる。途上国ラジオのためのスイス賞は水曜日に発表される。また、人権問題に取り組んだ作品に対するマルティン・エナルス賞は、木曜国連人権高等弁務官マリー・ロビンソンが受賞者を発表する。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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