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スイスの実質昇給率予測が上昇 3年ぶり

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昇給を祝うのはまだ早計か? Keystone / Martin Ruetschi

スイスの20202年の昇給率は2016年以来3年ぶりにインフレ率を上回りそうだ。国内400社を対象にしたアンケート調査で、予想昇給率の平均は1.1%となり、インフレを考慮しても実質昇給率は0.9%になった。

ポータルサイト「Lohntendenzen.ch外部リンク」の調査結果をドイツ語圏の日曜紙NZZ・アム・ゾンターク外部リンクが報じた。

ただし全ての産業で昇給が見込まれるわけではない。産業別で最も昇給率が高いのはIT産業(実質昇給率1.3%)で、次に化学・医薬産業(同1.1%)、金融・保険産業(同1%)と続く。

サービス業は実質で0.4%の平均昇給率が見込まれる一方、教職は0.3%に留まる見込み。

同サイトによると、スイスは勤務時間がよりフレキシブルになり、また有給休暇の付与日数が増えるなど、労働環境も向上した。

ただ、スイスが豊かな国というイメージには疑問符もつく。スイスの税務当局は9月、貧富に差があること、また先月には貧富の差が拡大していることを報告している。

連邦統計局が7月に発表した調査で、労働者の12%は月給4335フラン以下と、スイスでは「低賃金」に属することがわかっている。女性は同じ職を持つ男性より19%賃金が低いという調査もある。

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(英語からの翻訳・大野瑠衣子)

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