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軍備一新のため国防予算300億スイスフラン

タイガーF5 Keystone

サミュエル・シュミッド国防相は、今後15年間で軍備一新のための予算300億スイスフランを要請している。

日曜紙「ゾンターグツァイトゥン」のインタビューに対し、シュミッド国防相は国防予算の詳細につては発言しなかったが、年次毎の増額計画については確認した。また中立国のスイスには検討されているような装備導入は必要ないとの意見について、シュミッド国防相は「今日当たり前だと思っていることが将来もそうだとは限らない。スイスに戦車隊が攻撃をかけて来るということが現実に起こるとは考えにくいが、欧州各国には現役の戦車が何千台もある。スイスは最新技術の先頭に立ち続けることを保証しなければならない。」と述べ、国防のために装備を一新する必要性を強調した。

同紙が入手したリストによると、国防相が購入を希望しているのは武装輸送ヘリコプター、次世代戦闘機、レーダー及び追跡装置など。シュミッド国防相は、40億スイスフランで問題の多いF/A18戦闘機に変わる新機種購入に踏み切るかどうかについては政府はまだ決定していないと述べた。が、スイスは国防費において諸外国に遅れを取るべきではないとの政府の立場を再度強調、「主権を守るため、我々は軍備をできる限り最新のものにしておかなねればならない。」と述べた。

また、新技術が導入されるほど騎兵などスイス陸軍の伝統的象徴は消えていくのかという質問に対し、シュミッド国防相は「変革は困難を伴うが、我々は楽観的だ。現代の若い兵達はCNNを見て、自分達の装備が有事に本当に役に立つのか疑問に思っている。」と述べ、伝統は技術の進歩の過程で払わざるを得ない代償だと答えた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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