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2003年スイス内閣の顔ぶれ決まる

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マジック・フォーミュラの危機

スイスの連邦政府の特徴は七つの省を四つの党とドイツ語、ラテン語圏出身が微妙に分け合う「マジック・フォーミュラ」といわれてきたが、スイス至上主義の国民党が躍進し44年ぶりに変わる可能性がある。

今回の改造の目玉は重要ポストの内務省が社会民主党(左派)の“独占”から急進党(右派)に移ったこと。来年大統領のパスカル・クシュパン氏が内務省を兼任することになった。このポストは来年、社会保障制度改革や大麻の合法化などといった重要課題に直面している。

重要な再編

この内閣再編はルート・ドレイフュス内相の引退に伴うもので、新入閣のミシェリーヌ・カルミー=レイ女史が外相に就任し、現外相のヨゼフ・ダイス氏は経済相に回ることになった。ダイス氏はフライブルグ大学の経済学教授だったエコノミストで、キリスト教民主党がダイス氏を経済相に押し込んだのはこのポストを国民党にとられないための配慮だ。
残り、四つの省の顔ぶれは以前通り。新内閣は来年1月15日に発足する。

政治的背景

1999年の総選挙後で国民党が急伸長したため、これまでの各党の閣僚配分のバランスが変わった。このため、国民党は低落傾向にあるキリスト教民主党の閣僚を一つ獲得しようと狙っている。

EU加盟反対や国連加盟反対で躍進してきたスイス至上主義の国民党(右派)はこれまで一つだった閣僚ポストを「もう一つ獲得するのは時間の問題だ」と語る。いずれにせよ、どの党も来年秋の総選挙で国民党に議席を増やされないように躍起になっているのは間違いない。40年以上続いたマジック・フォーミュラが保たれるのかどうかがスイス政治の焦点になってくる。
 

‐1999年の総選挙で最大議席数を獲得以来の国民党は二人目の閣僚枠を狙っている。今後マジック・フォーミュラが保たれるかどうかは国民党の勢い次第。

‐この再編成は二人の大臣が省を変え、三つの省の政党を変えた。スイス政治にとっては大きな変化である。

スイス政治のポイント

– 七人の大臣(連邦顧問)で内閣が構成され、大統領は閣僚の輪番制で毎年変わる。首相はなし。

– 1959年以来、4党による連立政権が継続しており、7つの閣僚ポストを社会民主党二人、急進党二人、キリスト教民主党二人、国民党一人というように分配してきた。この協定を「マジック・フォーミュラ」という。閣僚枠は言語圏も配慮しており、独語州から4人、ラテン系語州から3人と調整がとられている。ただし、この協定は書かれたものではなく政党間の暗黙の決まりといったもの。

2003年の内閣割り当て
外相 ミシェリーヌ・カルミー=レイ (社民党)
内相兼大統領 パスカル・クシュパン(急進党)
経済相 ヨゼフ・ダイス(キリスト教民主党)
司法警察相兼副大統領 ルート・メツラー(キリスト教民主党)
国防・国民保護・スポーツ相 サミュエル・シュミット(国民党)
財政相 カスパー・フィリガー(急進党)
環境・運輸・エネルギー・通信相 モリツ・ロイエンベルガー(社民党)

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