スイスの視点を10言語で

新型コロナ危機 スイスインフォもテレワーク導入

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zVg

新型コロナウイルス危機によるロックダウン(都市封鎖)で、swissinfo.chもテレワーク(自宅勤務)に切り替えた。記事へのアクセスはかつてないほど増えた。

今は編集者もそれ以外の部門の従業員もみんな、ベルンにある社屋ではなく、自宅で仕事をしている。

居住地はフランス語、ドイツ語、イタリア語圏にまたがり、それぞれの地域でコロナ危機と向き合う。小さな村から郊外の町、観光地、都市部まで様々だ。

以下の写真ギャラリーは、各従業員が「自宅オフィス」の窓から撮影した写真だ。

swissinfo.chはスイス公共放送協会(SRG SSR)の構成企業で、ほかには各言語圏のスイス公共放送局がある。ただテレビやラジオ局とは異なり、swissinfo.chは約20年間、オンラインメディアを運営してきた。そのため、10カ国語のウェブサイトと30個以上のソーシャルメディアアカウント(ツイッター、フェイスブック、インスタグラム)のコンテンツを在宅勤務で作ることになっても、それほど難しくなかったといえる。

コロナ関連のニュースが多く読まれたのはどこのメディアも同じだが、中でもswissinfo.chは突出していた。10カ国語で伝えるスイスのコロナウイルス関連情報・分析記事は先月、これまでにないほどのアクセスが集まった。

アクセス件数は10カ国語すべてで前年比3倍、サイトの滞在期間も約7倍に増えた。下の図は、独立の業界団体Netmetrixの統計だ。

グラフ
swissinfo.ch

これは、スイスから発信する多言語情報が、多くの人々にとっていかに重要かを示している。ユーザーの反応やソーシャルメディアでのやり取りを見ると、ユーザーのバックグラウンドが様々であることもわかる。

例えば在外スイス人、スイスとビジネスをしている人、スイスに住む外国人や難民申請者、国際メディアの関係者、旅行者、出張で来ている人、研究者だ。ある研究者は、自分のツイートにswissinfo.chのデータを使っている。

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こういった多様なプログラムを提供できるのは、swissinfo.ch自体が多様だから。swissinfo.chの従業員は様々な文化圏から来ており、出身国もほぼ全大陸にまたがる。

それがよく分かるのが、swissinfo.chのインスタグラムに上がったこちらの「#StayHomeChallenge」の投稿。各言語編集部のジャーナリストたちの短い動画をつなげた。全編はアラビア語編集部のアカウントで見ることができる。

社員の声:ミシェル・フォルニ(IT開発)

写真
Frederike Asael Photography

「アジャイル型開発を進める身としては、個人的なやり取りを好みます。対面コミュニケーションや同じ現場での作業が、共通の理解を深められると思っています。ただ、優れたオンラインツールとビデオ電話のおかげで、在宅勤務でも十分なレベルのコラボレーションを実現できています」

「私たちIT部門は少し前に一度、チーム活動のプロセスを振り返る『レトロスペクティブ』を行いました。今の働き方や改善点を話し合うのですが、個人的には在宅勤務に対して挙がったデメリットと同じくらい、良い点が集まったのが印象に残りました」

「チームワーク改善の必要は常にあります。それは在宅でもオフィス勤務でも同じこと。大事なのは時間を設けて話し合うことです。そして改善に向けてどうしたらいいかをきちんと見極めることです」


(独語からの翻訳編集・宇田薫)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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