イラク戦争に永世中立政策を行使

イラク戦争参加国によるスイス領空通過は禁止されている。 Keystone

連邦政府は米国に売却済みのスイス製軍用機“Tiger”32機について輸出の一時停止を命じたとスイス紙「ターゲス・アンザイガー」は伝えている。

このコンテンツは 2003/03/21 20:01

イラク攻撃に関連する軍事物資の輸出も禁止される方針だ。

イラク戦争における中立とは ?

スイスの中立権行使は第一に、直接的にはもちろん間接的にも一切の軍事行動に関わらないことである。第二は、イラク攻撃を目的とした軍機の一時着陸やスイス領空通過の禁止。第三は戦争当事国への軍事物資の輸出禁止である。スイス法では紛争地域や紛争当事国への武器の輸出について細かい決まりがあるが、ハーグ条約では「平和の脅威となる国家への輸出を断ることができる」とあるだけで国際法上では輸出禁止の義務はない。このため、これまでも武器輸出についてはケースバイケースの対応が多い。

禁止される武器輸出

AP通信によるとスイス国防省は米国の開戦を受けて、 2007年までに配備予定ですでに売却された32機の軍用機“Tiger”の輸送を停止した。この飛行機はスイス軍の使用済みの旧型機でアメリカ空軍パイロットの訓練用に使われる予定だった。一機、90万フラン(約7千8百万円)だという。

連邦政府の決定は、このほか、政府が保有する軍事関連企業、RUAGなどからの米国への軍事物資輸出を禁止し、民間の軍事産業もイラク攻撃に使用するような物資の戦争当事国への輸出は禁止される。また、過去3年間の平均輸出量を超えるものは厳しく審査される。

スイスの武器輸出

2002年のスイスの武器輸出総額は2億7千万フラン(約241億円)で輸出額の0,2%に相当する。同年の第一の輸出先はドイツで、続いてオーストリア、米国、アイルランド、英国の順。

永世中立国スイス

永世中立を宣言することによって、スイスは過去2世紀の間、戦争当事国にはならなかった。スイスの中立政策の歴史は古く、ナポレオン戦争後の1815年のウイーン会議で永世中立国として承認された。スイスでは中立維持と自衛のための軍備はかなりあり、そのため政府は武器製造所(RUAGなど)も所持している。欧州ではこのほかオーストリアが1955年以来、永世中立国となった。

この記事は、旧サイトから新サイトに自動的に転送されました。表示にエラーが生じた場合は、community-feedback@swissinfo.chに連絡してください。何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願いします

共有する